第82期決勝時の「なし」票です(2票)。
1.I DONT SLEEP.IDREM
TWENTY THOUSAND MILES ENA OASIS
BY R.E.M.
2.星新一を8.6にやられてムカムカ。
3.おしい。だがどこの兄妹、イフェソンのパンチョッパリでもある話。
参照用リンク: #date20090806-002035
決勝に残らなかった作品のなかに今期の優勝に相応しい作品がありましたので、決勝投票は推薦作品なしでお願いします。
三作品のなかでは感想を記した順番が順位です。
・砂漠と雨の日
発想は面白いです。決勝に残ったなかでは一番良かったです。
しかし前半部分。砂漠に迷い、水なしで三日も炎天下に晒されているというのに緊迫感がまるでない。読ませる努力を怠っている。
幻にむかい「夢から醒めるといいね」と置かれると、着地点が見出せなくなる。
文面を素直に解釈すると「幻が夢を見ている?」
ちょっと想像すると「どこかで本体が夢を見ているから幻が現れた」しかしそこまで書いてないので繋がらない。
結果どうなるのか「幻が目覚めるとは、それは幻の死を意味する。なのに醒めるといいねと言われると、これまでの遣り取りで培ったキャラのひととなりに対し整合性が崩れる」
一行で切り返すには裏が重すぎる。何某かの誘導があれば切れ味を伴った爽快感も味わえるだろうが、投げっぱなしにされ不満が募る。
どう読ませるべきか。読者観点からの推敲が欲しい。
・夏休み
きっちりと書き込んである点に好感が持てました。情景的なものが良く表現されています。
これだけ書けるのなら、どうしてケータイ小説風にする必要があったのか疑問に思います。
エロ風味な一人称の、頭の弱さ加減を演出することで際立たせようとしたのでしょうか。頭悪いとエロを結びつけると、エロ可愛いで萌えとなるのでしょうか。それなら三人称を選択し、更なる情景を読ませきって欲しかったです。このままでは安っぽさが前面に押し出されるだけでもったいないです。
しかし……ウケるためには媚びることも必要なのかもしれませんね。事実、ウケるツボを心得てらっしゃる。
・木戸中尉の決断
この時期にこのネタに着手したことは賞賛に値します。しかし……このどうしようもなさはどうしようもないですね。まず帝国陸軍では敵前逃亡は銃殺です。そして士官、しかも歴戦のつわものとなると、これまでに多数の戦友を亡くしてきたはずです。墜せるときに墜す。さもなくば、いずれ自らの血で償うことになるのだから。また大戦末期のパイロットに感傷の入り込む余地はありません。しかも爆撃機の下に晒された自国民に対してではなく敵機のパイロットにとは……まるで少女マンガです。
ってことでミリタリーものを扱うときは気をつけましょう。
参照用リンク: #date20090803-212938