全投票一覧(日時順)
第273期予選時の投票状況です。3人より7票を頂きました。
2025年6月25日 18時10分8秒
- 推薦作品
- 現代アート(蘇泉)
- 感想
- AI革命を通して、文明や社会とは「現代アート」ではないかとの視点にたどり着いた、という展開は面白い。
現在のAIについては、それによっていくら便利になったとしても、逆に新しい仕事が増えたり、新しい問題や悩みが増えたりするだけかな、とも思うが。(この票の参照用リンク)
2025年6月14日 12時30分3秒
- 推薦作品
- 練り香水(OS)
- 感想
- 一段落目で場所、語り手の年齢、職業を示し、五段落目で語り手の人柄、性別を示しています。また、五段落目末尾の「逆ナンじゃん、やば。」によって、本作が恋愛物であるかのように読者を誘導し始めます。
八段落目以降の内容は香水に関する話題となり、香水は恋愛物には付き物ですから、読者もそのつもりで読み進めるはずです。
十段落目で、どうやらこの香水は単に魅力的なものというだけではないことが示唆されますが、小説に登場する香水というのはそういうものなので、恋愛物という路線はまだなくなっていないように感じるはずです。
しかし十五段落目で、恋愛物には似付かわしくない言葉が登場することで、ようやく読者は本作が恋愛物ではないのだと気付かされます。さらに十六段落目では、タイトルの意味が明かされるのです。駄洒落!
本作の魅力的な部分は、駄洒落が駄洒落で終わらず、それが「同じ感情を持つ者同士が、匂いとして引き寄せられる。」というモチーフを生み出しているところです。
こうして本作は、物語の導入部のようなかたちで静かに幕を閉じます。たとえば、この練り香水をつけた男性を主人公とする連作短編があり、その最後に本作が配置されていたら素敵な短編集になると思いませんか。
(三浦)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- 現代アート(蘇泉)
- 感想
- 地の文と台詞のほとんどが説明として構成されている作品ですが、語り手の友人である「彼」が話す内容はいかにも居酒屋で語られるような内容で、それがまず読者を楽しませます。
そこにさらに語り手が、地の文、つまり頭の中で「彼の言うことは、馬鹿げているようで、どこか本質を突いている気がした。」「――それが人間なのかもしれない。」などと合いの手を入れるので、余計に楽しくなってきます。
そして最後に、だいぶ酔いが回ってると思われる二人は、そういう状態の人間が陥りがちである、何かものすごい発見をしたような感じで物語を締め括るのです。
(三浦)(この票の参照用リンク)
- 推薦作品
- ゾンビ(みかんの騎士)
- 感想
- ゾンビは手垢にまみれたキャラクターなので、一般的には(ジョージ・A・ロメロ監督の映画『ゾンビ』に登場するゾンビに)何か特徴を付け足したものを登場させることになるわけですが、本作のゾンビは、一段落目の描写からすると、どうやら原始的なもののようです。
本作の白眉は、ゾンビの描写を「手」に絞っている点です(画面から全身を出すことは困難ですから、理に適っています)。そこにさらに「ゆっくり」という描写を何度も何度も入れることで映像的な感覚を読者に喚起させ、一方では、八段落目の「ペタッと冷たい手」によって、小説にしか表現できない描写を効果的に入れています。
また、この単純な構成の物語(というよりも一場面)も、ゾンビを登場させたことで上手く成立していると思います(吸血鬼、狼男、幽霊などでは成立しない)。
(三浦)(この票の参照用リンク)
2025年6月13日 12時34分21秒
- 推薦作品
- 練り香水(OS)
- 感想
- 良い人が”ウザ”く感じられる、残念にも感じられますが、思春期ってこんなものかもしれませんね。その心の動きが良く描かれているように感じました。においは広範囲に作用できるので、嗅覚についても、それに関連する精神療法も、研究分野として今後の発展が期待されているようです。
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- 推薦作品
- 現代アート(蘇泉)
- 感想
- 「なんか格好いいこと言ってるぅ」と斜に構えて読ませる、そこまで工夫されているように感じました。ティラノサウルスとトリケラトプスの生死を賭けた戦いも現代アートだったのかもしれませんね。
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- 推薦作品
- 2025年7月5日(euReka)
- 感想
- 地球が滅亡してもグーグルは生き残っているのですね、素敵です。SF年表によると2025年には『バブルガム・クライシス』で第二次関東大震災が起こるそうですが、巨大なクジラ型が火炎放射、と言うと2008年7月の『未来少年コナン』のギガント空襲か『BASTARD!!』の超生物兵器の暴走、いえ、2015年の『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒来襲かもしれません。黒い獣さん、どうせなら3000人くらいは助けて欲しかったです。
『ゾンビ』は、本当に言ってはいけない言葉があることを改めて実感させていただきました。もうちょっと先も読みたかったのですが、ここで終わらせるのが丁度いいのかもしれません。
『タマとカズ』はそのおどろおどろしさがいい感じを出していましたが、詳細が読み切れず、残念でした。
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