第248期予選時の投票状況です。4人より10票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
5 | 毒蛇 | Dewdrop | 2 |
7 | 海欲し | テックスロー | 2 |
9 | やさしい花火のつくりかた | 朝飯抜太郎 | 2 |
1 | コンビニの女の子 | 蘇泉 | 1 |
2 | 窓 | 竹野呉蒙 | 1 |
8 | 翼 | 霧野楢人 | 1 |
10 | ねこなべ。 | 吟硝子 | 1 |
今回、一番笑わせてもらいました。見事な落としっぷりだったと思います。(この票の参照用リンク)
しょうもな!
でもうまく煽られてドキドキさせられたので悔しくて投票。
その他感想。
#2 窓
弟の発想好きですね。白色の灯りのトンネルを通ることがあったら、自分もそう感じられるか試してみよう。覚えておきたいです。(この票の参照用リンク)
浴衣に着替えて向かう大浴場や、焼酎のお湯割りや、朝食バイキングなどのリアリティが土台の確かさとなって、肌を転がる海の玉の滑らかさや血のような太陽が海を蹂躙する様を想像することができる。そして、それらの土台が崩壊する最後の開放感もすごい。全然わからなくても楽しい。「脱ぐのももどかしい」で私の期待にあふれる心情まで伝わってくる。(この票の参照用リンク)
旅情あり、怪しさあり、怪異あり。
ぎりぎり保てていた現実世界が、梅干(海干し・海欲し)の咀嚼で弾けて、口の中に潮辛さが満ちるようなラスト。女将も効いてるし、旅館の朝のバイキングの雑多な感じもいいし、浴衣のまとわりついた人間からトビウオへの変化もいいな。海の表現も面白かった。ラストを読むまでは比喩として、ラストを読んでからは直喩として二度楽しめた。(この票の参照用リンク)
この作者の作風は好みではないと思っていたが今期の作品は好みだった。程よくおセンチで程よくあざとい。千字なので軽く流せる。
「ぶりっ子」けしからんと思っていても「可愛くてごめん」と面と向かって歌われたら笑って受け入れてしまう、そんな感覚に近い。(この票の参照用リンク)
面白かったです。(この票の参照用リンク)
初読ではオチが弱いような気がした。
でも、2回目では、なんでもない日常での、感情の変化が描かれていて、お話として十分まとまっているなと感じた。
書かれている気持ちもなんとなくわかる。「別に付き合いたいとかではない」好きな気持ちとか、アイドルのように、現実とは遠くの世界にいるひとへの気持ち。
タバコをきっかけに、その空想世界が壊れる瞬間が描かれていて、そのあとの一文のそっけなさも、彼の心情を表しているようでマッチしている。
アイドルから人間になったことで、彼女への興味も消える。そもそも人間として彼女を見ていなかったので、これが正常ともいえるのだけど。(この票の参照用リンク)
誰もが体験している状況への、少年の意外なものの捉え方に、ハッとさせられました。そう感じられる特別さは完成だけでなく、状況によるかも知れませんが、大切にしたいものだと感じました。
『コンビニの女の子』は青春だなぁって感じました。いかにも若者、という様がよく描かれていますね。
『楓』は、作者がこの曲を好きなことがよく伝わってきましたが、またこういう感性を持つ少女(少年にはやや少ないかもしれません)がいるのも分かりますが、そのありがちを転換するだけの事象が描ききれてないことを感じました。
『誰そ彼の屋上』は、シュール・ホラーを追求するならもっと怖く落としてもいいように感じました。
『海欲し』は海星、アヴェ・マリス・ステラなのかな、とも思いましたが、つながりが読み切れず、なにより情報が詰め込まれすぎていて読みにくかったのが残念でした。
『やさしい花火のつくりかた』は擬人化で通して良かったと思います。そちらを読んでみたかったですね。
『翼』は…三浦哲郎『團欒』(新潮文庫『忍ぶ川』に収録)の、子供に怪我をさせてしまったシーンを読んだところだったので…、危ないことはやめましょう。それと冒頭のシーンがつながらないように感じられたのが残念でした。
『猫を飼いたい。』は身につまされる思いがしました。猫を飼っている場合ではありませんし、もちろん、そんな妄想に浸って現実逃避している場合でもありません。実は再就職先は意外とあります。今すぐ転職しましょう。(この票の参照用リンク)
密度の高さよ。その様子がありありと想像される。物語が導くままに想像して共感できる。
成長の早さ、わかってはいても、その時が来れば寂しいが、それよりも大きな喜びについて書いていると思う。(この票の参照用リンク)
ひらがなで構成された、優しい語り口の優しい物語に心打たれました。優しい気持ちは忘れないでいたいものですね。(この票の参照用リンク)