第215期決勝時の投票状況です。7票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
12 | カバネマイ | 志菩龍彦 | 3 |
13 | ケモミミカフェ | euReka | 3 |
7 | 警察庁広域捜査課01 | 朝野十字 | 1 |
予選投票でも指摘したが、最後が少し分かりにくいし、他に書きようがあったんじゃないかと思う。あるいは、最後にまた「黒い何か」を登場させるのはやめたほうがよかったかもしれない(ちょっとしつこい感じになってしまうから)。
しかし、主人公の漠然とした不安を、妖のような不思議で不確かなもので表現している点は悪くないし、どこか薄暗い感じの雰囲気も良かった。(この票の参照用リンク)
(決勝です。念のため。)
ケモミミカフェと迷いましたが、カバネマイに投票します。
悲しい話です。ただ、ファンタジーというか、カバネマイが舞うダークで幻想的な世界が、悲しさを引き立てつつ、心に深く入っていくような印象でした。
ケモミミはシュールで何かエグくて、ショートショートとしては高い完成度なのではないかと思います。ただ、先に挙げた作品と比べると、カラーが全然違うので、ということもありますが、心に響くのは先の方かなあと思いました。
警察庁…については、たぶんシリーズとして続くのを意識しているのでは、と推測しますが、あくまでもこれが一作品と考えるなら、正直、最初の警察庁のくだりと後半が全く無関係でつながらず、作品として不成立であろうと思ってしまいました。(この票の参照用リンク)
先頭行が「現在は第215期予選の投票を募集しています。」となっていて、決勝の投票を躊躇していましたが、投票なさっている方もおられたので、”決勝の”投票として『カバネマイ』を推します。住職の不躾な物言い、それに対するぶっきらぼうな対応、その後も思わせぶりな、それでいて答えを与えない文章が続き、考え込むほどに惹きつけられてしまいました。
『ケモミミカフェ』もシュールさが良かったですね。客の依頼に応えるということは料金が発生する、というのが現実的で、納得させられると共にやるせなさも感じさせてくれました。
『警察庁広域捜査課01』は美しい恋物語ではありますが、緊迫した場面で家族や恋人を思い出す登場人物は、往々にして本人か思い出した人に死亡フラグが立ちがちで、哀れに感じてしまいました。考え過ぎなら良いのですが…。(この票の参照用リンク)
「ケモミミカフェ」に一票。
敗戦国の国民は苦しみを背負わされる。だけどそれは全国民ではなくうまいこと生きている人間もいる。今も昔も、どの国であっても通じることだと思う。
コミカルだけど深く戦争について考えさせられるところがよかった。
「カバネマイ」は描写や醸し出す雰囲気はいいのだけど、あまり驚くような展開が起こらずさらっと終わってしまうのが物足りなかった。
「警察庁広域捜査課01」は、この一作で終わるのであればあまりに構成が歪んでいて興味深かったのだけど、タイトルに01とついているのだから連作なのだろう。
正直、連作については評価が辛くなってしまう。単体で楽しめないと難しい。(この票の参照用リンク)
生えた耳には金銭的価値があり、それは「損害賠償」の「代償」であったり、「獣耳手当」のもとになったり、
「追加料金」の「支払い」が求められたりする。同じ獣耳が、立場を入れ替えると、まったく逆の意味をもち、
金銭の支払いが生じたり、受け取りの理由になったりする。人の行う意味づけは面白いものだとあらためて思いました。(この票の参照用リンク)
(決勝投票です)
予選で投票した作品がすべて決勝進出していたので、いつもより決勝投票に悩む。でも、やっぱりこの作品が頭一つ抜けていたかな。
ほんと複雑な気持ちにさせられる作品。敗戦国という響きに、自分が日本人だということもあるけれど、当たり前のようにこの作品で語られている国が日本だと思ってしまうのはなぜだろう。ケモミミとか、カフェとか、ご主人様というワードに引っ張られてだろうか。表面的な残酷さが書かれていない分、余計に怖いと思う。(この票の参照用リンク)
ケモミミは達者な筆致。 お寿司屋さんの酢のにおい、病院の清潔臭、、、感じる。 1000字をブチ破る構成が新鮮。(この票の参照用リンク)