第183期決勝時の投票状況です。5票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
5 | 赤瓦の屋根は海の向こう | 青沢いり | 2 |
14 | その日も、女は倒れるくらい働いた | 宇加谷 研一郎 | 2 |
15 | 十か条 | qbc | 1 |
#3
断片的。シンプルな描写と言うには言葉が足りないように思う。
#5
丁寧なつくりに好感が持てる。奇をてらわないぶん安心する。「それはたぶん私じゃない」に、新しい顔を持つことへの摩擦を感じる、その青さがいい。
#13
「憎しみは消えることはない。」の段落が何度読んでも頭に入ってこない。特に「だとすれば、」以降。全体的に文章が冗長で回りくどい印象がある。
#14
人物に焦点が当てられているようで、その実、人が描かれていないように感じた。結局、芸術とは何かみたいなことを言いたいのかなと思った。
#15
透けて見せるつくり。どうも作者さんの描く人物は私とは合わないようで、拒絶反応が出てしまって困る。それだけ巧いという意味で。
#16
ものとして扱っているのに形や色を全く描かないという、抽象的な書き方が巧いし面白い。私なら名前はつけないだろうが、そこは好みの問題かもしれない。
#16と悩みましたが、今期は丁寧なつくりと安定感から#5に。(この票の参照用リンク)
予選票を入れた「落ちようと思って」か「赤瓦の屋根は海の向こう」のどちらかに決める。
「落ちようと思って」のむむむ感は好きであるが、文字数を考えるともう少し内容を深められたとも思う。1000文字にした方がいいとは言えないが、637文字で本当に良かったのであろうか。全てを語り尽くしていないところが引っかかっている。
「赤瓦の屋根は海の向こう」は内容の平凡さが少し気になっている。所謂、上京してノスタルジーを感じるといった平凡さに他候補と違った弱さを感じる。それでも、この作品はそれでいいと思う。この何気なさがいいと思う。(この票の参照用リンク)
技巧的にどうのというのでなく、ただ、作品のなかのそれぞれの存在感の「巨大さ」を感じました。
そして、それをとても気持ちよく感じました。何度か読んでみたんですが、やはり印象に残ります。
書かれている内容自体は攻撃性も含むものだと思うんですが、それでも気持ちいいというのが個人的に面白く思いました。(この票の参照用リンク)
主人公がたくましく生きていこうとしているのが良かった。こういう、人生観が出てくる作品は好み。一つ言うなら「徹底的なヒッピースタイル」と「臭みのない巨大好き」は相容れなく感じてしまった。(この票の参照用リンク)
箇条書きではあるけれど、ちゃんと物語が見えてくるのが面白い。あるいは、この箇条書きをもとに普通の形式の物語を組み立てても、多分それほど面白くはならないんじゃないかと思うし、箇条書きだからこそ面白くなっているような気もする。なぜ箇条書きにすると面白いのかというと、これが書かれた紙が部屋の壁に貼ってあるという状況や、それを見た彼氏がおそらく面食らっているであろう表情、そしてこの文章を、多分一人で書き進めている彼女の姿などを想像できるからだろうと思う。
それから、文章にあまり力んだところがないのもいい。こちらも力まずに楽しく読める。(euReka)(この票の参照用リンク)