第183期 #15

十か条

一、トイレットペーパーが自分のときになくなったら、そのまま紙の芯をのこしたままにしておかないで、きちんとちゃんと、交換する。そしてその芯も置きっぱなしにしないで、すぐに捨てる。

一、いまは石河くんが会社員、あたしが専門学校生だけれども、だからといって、「働いてないくせに」「おればかり働いている」「働いていないからおまえには分からない」などとは云ってはいけない。ぎゃくに、「好きでもないことをよく続けられるねえ」「会社の奴隷じゃないの」「また残業?」などと、いやみも、ぜったいに云わない。

一、「同棲したいって云いだしたのはそっちのほうだ」と、みにくいあらそいを行わない。かっこわるいでしょう。

一、掃除は、そんなに神経質にならなくてもいいけど、つかったものは元の場所にもどすこと、かたづけること。でもすくなくとも、お風呂は毎日洗わないといけない。からだをきれいにするところはいつも清潔に。それからお風呂の前にお布団に入ってはいけない。お布団は神聖な場所にしておきましょうね。

一、これらは三か月の間は、守れないよと決めつけたりしてはいけない。守れるものとおもって、三か月の間はがんばること。あきらめたらいけない。ぜったいに。

一、食事は自炊。なるべく、ファミレスいかない弁当買わない。そして自炊したら、相手のつくったものに対して、おいしかったかまずかったか云うこと。そうでなければ張り合いがなくなってしまうから(料理のこつは、いろどりですよ)。

一、ずっと一緒にいると、男の人にとっては、一緒にどこかに出かけることをあまり特別なものとおもえないようになってしまうらしいのだけど、お出かけの日の服は、特別に。気にいったからといって、おなじ合わせ方ばかりしない。きもちは装いから。

一、こみいった事情のあるもの、例えば得体のしれない外国の置物の像、使いみちの決まっていないきみょうな色彩のしかも大きめの布、色も形もすてきだけれど二人で暮らすのに必要以上の数のマグカップ、そういったものの購入時は買う前に相手との相談の機会をもつこと。ぜったいに無断で買ってはいけない。とくにアンティーク、ヴィンテージと名のつくものは、けっして油断をしてはならない。けんかのもと。

一、うそはつかない。(つくとしても、すぐばれるようなうっかり者のする)浮気はしない。

一、必要があれば、その都度この十か条は十一か条にも十二か条にも、ふえる。



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