全投票一覧(日時順)

第237期決勝時の投票状況です。8票を頂きました。

#題名作者得票数
4睡眠王テックスロー4
1訃報蘇泉3
10ガベージ・コレクタY.田中 崖1

2022年7月8日 22時59分7秒

推薦作品
訃報(蘇泉)
感想
あっさりしているのがいいですね。長い間生きていて、自分の中で命がだんだん軽くなってきている様子がいいし、秘書も淡々としていていい。安楽死とか、実際これくらい軽いものなのかな、と思ったりもする。ちょっと星新一っぽいドライな書き方も好みです。(この票の参照用リンク

2022年7月8日 22時29分54秒

推薦作品
睡眠王(テックスロー)
感想
「睡魔」を文字どおり魔物としてとらえる遊びは、自分もやったことがあるのですが、ここで描かれる魔物の様は実に魅力的で、
しかも単純に眠りへと引きずり込むのではなく、主人公が苛まれているのは睡眠不足というのが、とても面白く思いました。
最後、医師が睡眠王に成り代わりましたが、前睡眠王と語り手との関係は謎のままで、その辺もとても興味深く読みました。
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2022年7月8日 15時38分21秒

推薦作品
訃報(蘇泉)
感想
#1 訃報
良い点は予選時に述べたので、今回は改善すべきと思われる点について述べる。
やはり、小説としての日本語が未熟であると感じる。意味は通じるが、文章的ではない箇所が散見される。
手をつけやすいところからいうなら、会話の流れだろう。
「〜」と林さん。「〜」と秘書。では、テンポが崩れてしまう。
他者の小説を参考とし、流れるような会話を描いて頂きたい。

#4 睡眠王
単純に意味がわからなかった。意味がわからないのは一番良くない。
また、場面転換した際、視点が迷子になってしまった。「これはいつかの医師だと気付き〜」でやっと、変わらず主人公の視点だとわかる。もう少し丁寧さが欲しいと感じる。

#10 ガベージ・コネクタ
始まりから表現により情報は与えていたので察しはつくのだが、話のつくり上は、最後にコンピュータ処理の具現化だったんですよというネタバラシをする形となっている。個人的には、この形は起伏が少なくあまり好きではない。ネタが分かったところで、そういうことね、で終わってしまい印象に残らない。
それから、発言にかぎ括弧をつけないのは何か理由があるのだろうか。(小山離反)(この票の参照用リンク

2022年7月7日 23時37分15秒

推薦作品
訃報(蘇泉)
感想
初読で一番に選んでいたので。
話の山というかが、三つの作品の中では、一番良かったように思いました。
社長さんは、死ぬ間際に、やっぱり自分をせいこさんの中に残しておきたかったのかな。淡々とした話の中で、心の動くようなところは印象的に映るな、うまいなあと思いました。

「睡眠王」「ガベージ・コレクタ」はどちらも文体・設定的に好みでした。
「睡眠王」は、睡眠を搾取するという発想が楽しいし、古代の王のイメージが想起できたので、ラストも含めて、文章が形作る雰囲気、形作れる技術がスゴイと思いました。
「ガベージ・コレクタ」は世界観を1000字に込めながら話を展開するというのが素晴らしい。設定が零れ落ちてる感じもいいですね。ヴィクトリアンメイドの恰好にしたり血が出たり、とか誰の趣味なんだろうとか、「落ちそうで怖い」と感じるDと、それがよくわからないC、Dはウィルスというより人が向こう側にいるのかな、とか考えると楽しいですね。(この票の参照用リンク

2022年7月6日 23時51分26秒

推薦作品
睡眠王(テックスロー)
感想
#1 訃報
落胆、期待、期待、期待、落胆、喜び、落胆、期待。のように気持ちの浮き沈みがリズミカルに繰り返されていて、死と楽しい企みのはざまのドラマを書けている。日本語的にこなれていないところがあったり(例えば、「林さん」という主語が繰り返し登場するなど文法規則に忠実すぎるところ)、せいこさんが中学の初恋の人の訃報を読んだ後の行動の素早さとか、その手紙の質問内容とかに違和感があり、そこが作品を作り物に見せていて少し冷めてしまうところがあり、好きなのに推薦しづらいと思う気持ちがあったことは認める。もう少し作品の強度が上がりそうな千字作品という印象。決勝の三作品はどれも結末に死が絡むが、その中では、一番後味の良い死であり、エンターテイメントとして優れていると感じた。cheerに満ちた死。

#10 ガベージコレクタ
ほのぼのとした物語の予感を裏切る後半の展開に驚き、世界の全容に納得する話といったところか?
電子システムの世界秩序の中で、ガベージコレクションを仕事とするCと、豹変する侵入ウイルスDがあって、侵入ウイルスが駆除されて一件落着となる。虫=バグ、くらいはどこでもやってるのだろうが、雲上=クラウド上、/=コードを書く際のコメント記号を台詞の記号に転用する方法は初めて見た。電子の世界の営みがこのように表現されているのを見るだけで楽しさがある。
「半透明サイコロ状の情報子」は想像しやすく、廃棄処理室での描写にも一役買っていてSF味の演出道具としてもいいと思う。その対になる、「ノイズまみれのオブジェクトの欠片」は意味はわかりやすいものの、形状が想像しづらく視認性が悪いため、読み流せず引っかかる。ヴィクトリアン調のメイド服、モップ、無数の牙が下向きに生えた巨大生物の上顎、などは質感まで想像しやすい。一方で、壁・廊下・ドアの材質、デザインなどが明記されておらず気になる。SFっぽい宇宙船っぽい構造物をなんとなく想像してしのいだ。漫画や映像ならば、この辺りに文字数を使わずに解決できるのだろうが。巨大生物の上顎のモチーフは何かあるのだろうか?調べたがわからなかった。

#4 睡眠王
的確な描写と、知的な日本語の運び方、物語の運び方、問題の投げ方。文章の強さに魅力を感じる。一方で謎解きが難解であって、そこに鼻持ちならなさを感じる。しかしこれが一番うまい。(この票の参照用リンク

2022年7月4日 10時1分48秒

推薦作品
ガベージ・コレクタ(Y.田中 崖)
感想
気に入って何度でも読みたいと感じました。のんきでガードが甘いお掃除メイド、あっさり潜入したバグ、唐突な結末、テンポもリズムも良かったです。Dの台詞の前につく/が二箇所ほどなかったのはわざとなのか、1000文字ジャストの制限から已むを得なかったのか、少し気になりました。

『訃報』は、ごつごつとした文章が内容にもよく合っているように感じられました。もう会えないと分かったときに会いたくなるのは、我が儘かもしれませんが人間的な感情のようにも感じました。こちらを推薦したかったのですが…今回はライバルが強敵でした。

『睡眠王』は分かるような分からないような。睡眠障碍で日中に唐突に眠くなり、どうにも解消できない辛さを、作者がご存じで書いておられるのなら良いのですが、その状況をネタにしているだけのように感じられてしまいました。(この票の参照用リンク

2022年7月3日 23時9分50秒

推薦作品
睡眠王(テックスロー)
感想
#1 句読点や単語の選択に引っかかるか、独特な語りと受け入れられるかで評価が変わるかもしれない。物語自体に斬新さは感じられず、また独特な語りを選択する意図が読めなかったことから、私は前者の評価となった。ただなかなか味わい深いので、この語りにマッチする物語を読んでみたい。

#4 今期は(今期も?)他の方の鋭い読みに興奮し、唸らされた。なるほど順番なのかと。最初から王が決まっているよりも地獄じゃないか。そうして再読すると一層魅力が増している。深く読みこめる奥行きのある物語、それをユーモアを交えつつ語る力量に、票を投じる。(この票の参照用リンク

2022年7月2日 17時5分20秒

推薦作品
睡眠王(テックスロー)
感想
王の眠りを奴隷たちが支えるという、睡眠の物語化が面白い。
誰でも、良い睡眠を得るためには、心身の健康状態を維持するなどのバランスが必要で、この話に出てくる睡眠王だけの話ではないよな、と想像させられる。
一つ不満を言わせてもらうと、「奴隷たちは〜」にいきなり場面が変わるところが分かりにくい。(この票の参照用リンク

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