全投票一覧(日時順)

第210期決勝時の投票状況です。5票を頂きました。

#題名作者得票数
8Rebellionえぬじぃ3
3桂馬の憂鬱テックスロー1
6道頓堀の喪失きえたたかはし1

2020年4月8日 13時58分19秒

推薦作品
Rebellion(えぬじぃ)
感想
未来が持つ女性らしさと母性はとらえどころのない無形の髪と混ざって過ぎ去る温もりとなっている。予選の時は最初の一文が突飛で毛嫌いしてしまったが改めて読ませてもらって私もとらえどころのない未来の髪をつかもうとする者の1人であるということに思い当たった。過去が物語となり、一人称の人生に未来という結果が多面的な意味を付与する描写。今を生きる私たちもその髪に触れようとすることを少しの間許してくれる作品だった。(この票の参照用リンク

2020年4月4日 18時4分22秒

推薦作品
Rebellion(えぬじぃ)
感想
予選で投票した時は、すべての出来事を物語にしてしまうという過去にする暴力性ばかりに目がいったが、この作品の言いたいのはそこではないのではと、改めて読み直して思った。未来が歩みを止めたとき、過去の人間がすべて出来事として語られつくしてしまった時こそが、暴力すらもない死の世界なのではと思った。未来は自分自身をも語りながら、それでも歩みを止めることはない。その歩みはゆっくりでも早くでも、いかようにも感じられるが、決して止まることがない。それこそが生きているということだと思う。まだ終わっていないことに対して語りつくすことはできない。だから未来は物語には閉じ込められず、常にその一歩先を歩いていくのだと思う。そう思うと、その歩みに何となく乗っかっている自分もおのずと前を向けるようになるから不思議だ。(この票の参照用リンク

2020年4月4日 14時26分59秒

推薦作品
Rebellion(えぬじぃ)
感想
『桂馬の…』は1000字でまさに完成された作品だと思いました。表現や将棋の駒の捉え方がユーモラスで、作品のリズム感も含めて上手です。ただ、(私自身将棋にそれほど詳しくないのですが、)将棋の駒を扱うとき、とった駒を再び使えるとか、王手桂取り、という考え方自体どうなのか、とか、ルール的なところでどうなんだろう、と。あまりこだわるべきではないところかもしれませんが、作者さんもあまり詳しくないのでは、と思ったり。
『道頓堀…』は、ものすごい勢いを感じる作品で、でかつ大人っぽいと思ったのですが、私自身がその勢いについていけなかった、というのが正直なところです。

『Rebellion』は幻想的な雰囲気の作品で美しいし、短い中ですごく考えさせられる作品でした。人は「物語」の中でしか生きられない、とネガティブに考えるのか、「物語」のなかで生きることが「未来」への希望なのか、いろいろ捉えることができる作品で深いです。こういうの私は好きです。(この票の参照用リンク

2020年4月4日 0時30分10秒

推薦作品
道頓堀の喪失(きえたたかはし)
感想
これはまさしく千字でしか書けない、千字短編のための物語だ。
五百字では意味不明、千五百字では冗長。極めて高い完成度を備えた傑作だと思う。
彼は故郷を失い、記憶を失い、愛馬さえ失った代償に、完璧な関西弁を手に入れた。それでいいのだ。それがいいのだ。これこそ創作短編の醍醐味だ!(この票の参照用リンク

2020年4月2日 12時32分41秒

推薦作品
桂馬の憂鬱(テックスロー)
感想
一瞬にして距離を詰められる飛車と香車の衝突はまさしくダンプがスクーターを跳ね飛ばしたようなもの、それに対し、駒を飛び越えられるという他にはない能力を駆使して現場に到着してみたら”角筋避けがたし”という現実が待っていた…、というサスペンス仕立ては面白かったです。いや、桂馬がないと詰まない状況もよくあるので、王手ではなく飛桂両取りなら飛車を取られてでも桂馬を助けることもありそうですね。いえ、取られた桂馬は生まれ変わって重要な役割を果たすので、あまり悲観的にならなくていいと思いますよ。そこがチェスとの違いですね。

テックスローさんと えぬじぃさんの過去の作品も読んでみました。『パソユタさま』と『動くものを食べる』は面白かったです。以前はもっとたくさん投稿作品が多かった時期もあったのですね。(この票の参照用リンク

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