第200期決勝時の投票状況です。8票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
9 | 海から海へ | 川野 | 4 |
4 | サトゥルヌス | 三浦 | 2 |
14 | 君の記憶を見せて | 塩むすび | 2 |
遠浅の海を散歩する僕が、ホンビノス貝の旅路をもの思う内に「いや、思い返してみれば自分がいま立っている干潟が、いつか辿り着いた見知らぬ干潟なのだと気がついた。」と気づく話。
なんでもない、おそらくは日常の海が内省するなかで「見知らぬ干潟」に様変わりしてゆく。
その景色の感じ方が年ごろの男性らしく、媒介が貝であるところも、末尾で家庭のある日常に帰ってゆく姿も可愛らしいです。
(200期おめでとうございます。記念に? 投票してみました。)(この票の参照用リンク)
第200期一番のお気に入りに投票いたします。
やはり、美しい。(宵一)(この票の参照用リンク)
決勝投票作品への感想は掲示板に「感想御礼」として書かせていただきましたので、割愛いたします。
死んだ飼い犬との距離感を幻想の少女との会話から想起させた「君の記憶を見せて」、親と子の関係性についていろいろ考えさせられた「サトゥルヌス」、濃密で不可思議な、時空を超えた幻想の年代記「沼」どれもそれぞれの魅力がありました。特に「君の記憶を見せて」のユーモア感覚が私の悪趣味にストライクで、川野さん作品とたいへんに迷いました。
200期の節目ということもあり、川を流れるような文体でユーモアを絡めながら世界を広げ、そしてまた日常に帰結した、川野さんの作品に投票します。
(とむ)(この票の参照用リンク)
「ふと現れた固いものにしがみつく」といったささいな偶然によって人生が大きく変わることもあるし、そういう可能性を想像するのは楽しい。(この票の参照用リンク)
おそらく、概要だけであれば珍しいタイプの話ではないのではないかと思います。
けれども、話の流れ方、文章の進め方が巧みで、最後までだれないどころか読まされました。
軸になっている「理由」の扱いがとても効果的だと思います。
最後の文がシーソーのような二つの「理由」で締められているのが、もう格好良くて。
最後が決まるべきところに決まったときに感じる気持ち良さを、
今さらのように味わったように思いました。(この票の参照用リンク)
サトゥルヌス vs 海から海へ でした。
小説ってさ、楽しむものっていうか、自分が滅ぼされるものって思うって思ってるからさ、今回はサトゥルヌスで。
海から海へは楽しかった。
サトゥルヌスは嫌な気分になった。なんで嫌な気分なのだろうか、ってこれからも考え続けるだろう。好きだよ。
(qbc)(この票の参照用リンク)
首輪を連れて歩くとはなんなんだと思いつつ、序盤の描写で引き込まれる。犬が嫌々引っ張られて蹴られるシーンが、目に浮かんできた。
会話の所も、ユーモアがあっていい。不思議な要素を含んだままテンポよく流れる話の展開が好きだと思った。
他にも色々好きな作品とか今回多くて結局予選投票に間に合わなかったんだけど、「200」という作品を見て粋なことをする人も居るんだなぁと微笑ましく思った。(この票の参照用リンク)
1000文字の中で緩急がついていて、楽しく予想を裏切るようになっており、締めくくりが綺麗。(この票の参照用リンク)