第200期決勝時の、#9海から海へ(川野)への投票です(4票)。
遠浅の海を散歩する僕が、ホンビノス貝の旅路をもの思う内に「いや、思い返してみれば自分がいま立っている干潟が、いつか辿り着いた見知らぬ干潟なのだと気がついた。」と気づく話。
なんでもない、おそらくは日常の海が内省するなかで「見知らぬ干潟」に様変わりしてゆく。
その景色の感じ方が年ごろの男性らしく、媒介が貝であるところも、末尾で家庭のある日常に帰ってゆく姿も可愛らしいです。
(200期おめでとうございます。記念に? 投票してみました。)
参照用リンク: #date20190608-234028
決勝投票作品への感想は掲示板に「感想御礼」として書かせていただきましたので、割愛いたします。
死んだ飼い犬との距離感を幻想の少女との会話から想起させた「君の記憶を見せて」、親と子の関係性についていろいろ考えさせられた「サトゥルヌス」、濃密で不可思議な、時空を超えた幻想の年代記「沼」どれもそれぞれの魅力がありました。特に「君の記憶を見せて」のユーモア感覚が私の悪趣味にストライクで、川野さん作品とたいへんに迷いました。
200期の節目ということもあり、川を流れるような文体でユーモアを絡めながら世界を広げ、そしてまた日常に帰結した、川野さんの作品に投票します。
(とむ)
参照用リンク: #date20190608-122032
「ふと現れた固いものにしがみつく」といったささいな偶然によって人生が大きく変わることもあるし、そういう可能性を想像するのは楽しい。
参照用リンク: #date20190602-223516