第190期決勝時の投票状況です。3票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
3 | 感情泥棒 | テックスロー | 1 |
5 | 雨ニモマケヌ | 岩西 健治 | 1 |
8 | 繋がれた男 | 塩むすび | 1 |
成熟した大人のエゴと、未成熟な大人のエゴをむせるほどに感じた。個人的な補完あっての印象だろうが、作品として一番読まされたので一票を投じる。(この票の参照用リンク)
生や死は哲学的に考えるとキリがないというか、答えがなかなか出ないものだと思うのだが、この作品では、そうした生や死の意味を問うのではなく、ただひたすら生や死の出来事を並べることで何かを表現しようとしている。それは、われわれはただ生や死を眺めることしかできず、その意味を知ることは出来ないということかもしれないし、あるいは、意味を知ること以前に、われわれ自身が生や死そのものなのだということかもしれない。
この作品は、完成度は高いとは言えないが、小説で書くべきこと(人生においてどうにもならないこと)を書いて、それを乗り越えようとしているような気がする。(euReka)(この票の参照用リンク)
やっぱり最後は好き嫌いになってしまうのだろうか。
「感情泥棒」と「スピーチの草案」は人間の嫌な部分が露出されるのでつらくなってしまう。
「繋がれた男」はエネルギーをそがれるが、今期はこちらにしたい。
細かい評価は予選と同じであるが、「暗い傷」が「娘を食べたこと」ではないかも知れないと考え直している。時間経過のズレが気になったのであるが、そのズレ(暗い傷は主人が付けられたものであり、娘を食べたのは囚人であるから)がある種のリンクを生んでいるようにも思う。(この票の参照用リンク)