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チョコ作りも苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(1-3)

1 ラン・ホース・ライト アンデッド 515
抽象的過ぎて説得力に欠けるんではないか。
語り手、男、男の周辺、男の過去と未来といったところだけでなく、もう少し外部の情報も欲しい。男とは違う境遇の人物を増やす、あるいは男と同じ状況の人間だが世界観の違う人間を出すことによって、イメージをより明確にすることができたのでは、と思う。この簡素さが生み出すもやっとした味わいを否定するわけでもないけれど。

2 人間観察 のい 681
息子の目がどんな風に濁っていくのかをまさに見たいと思う。
俺、俺の見た風景、蝶々、息子といったところが書かれている。外部といった意味では、「女子高生が変な顔して俺を見た」や息子の反応が該当するのだと思うけど、あくまで俺の世界が中心で、狭い。
小説が作者の人生の所感の表明ならばこれで十分なのかもしれないけれど、小説は人間の研究結果の発表と考えると、もう少し好奇心をたくましくさせて、作品世界に色取りを足し込んで欲しいと思った。

3 一滴の救い 葉っぱ 835
既視感のある題材だが、文体はマッチしていたように思う。
ただ、これも描かれている世界が狭いんじゃないだろうか。わたくしの視点から、母親や兄、家族の話は出てくるものの、家族、家族、家族の話しかない印象がある。
近親相姦というものが、社会的タブーである以上、「わたくし」は社会を知覚している。彼女にとって社会とはどんなものだったのだろうか。とは言え、これはそんなに世界を広げないほうが良いのかもしれないけど。

Re:ご機嫌伺いも苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(4-6)

4 『時を忘れた時計屋の話』 石川楡井 898
テキストの成型がすごくきれい。
様式を楽しめるので、何が描かれているのかは無視しても楽しめるのだけれど、それならば、いっそ無機質に振ってしまっても良かったのではないのかなとも思う。ひきずった恋愛のもつれを載せるよりも、作意が際立ったのではと。

5 明るい もてあまし 339
小説っぽさが足りないなあという印象。
私と、私の周囲と、私がタバコの煙に思いを寄せるところにフォーカスがあたっているのみで、もうすこし手を差し伸ばしてもよかったんじゃなかろうかと。真夜中の公園の様子を描くことも可能だし、描かないことも可能だったけど、今回、書かなかった理由が分からなかった。
私の言う小説っぽさというのは、主に構成のことで、例えば「家に着く頃にはアイツも雲になってるかな」というところをポイントに持ってくるのだとしたら、そこが盛り上がるような組み立て方もできた。あくまで従来の小説を真似することで得られるっぽさだけれども、それを読むだけでも面白い。

6 Bライン 蒼ノ下雷太郎 815
踏み込み方が足りないなという印象。
私の見たものと、それに対する私の考え方と、それを話した相手の反応、というところが書かれている対象で、どこをふくらませても良いと思うのだけど、相手の反応への踏み込みをもっと深めることができたのでは、と個人的に感じました。
私の考えたことに共感を得られなかったけれども、もしかしたら相手が違えば反応が違ったかも知れず、あるいは相手のほうが特殊だったのかもしれない。

Re*2:がきの使いさえへどもどで苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(7-9)

7 紺色のマフラー テツヤ 859
本当にこういう感情に陥るのかなと素朴に疑問に思った。
私と、私の周囲の話で、これも例えばハルコの行動を裏打ちするようなエピソードがもうひとつくらいあったほうが重層的になったのではないのかなと思う。「恥ずかしそうに差し出した」というのも、細かく描写すれば、もっと違った印象になったと思う。よくある方法だけど、「恥ずかしい」を恥ずかしいという言葉を使わずに描いてみたらどうなったのだろうか、とか。
思うのは、こういった照れ隠しのような「バカヤロー」はどこから来るのだろうかということ。本当に、こんなこと、言うのかと、疑問に思う。言うのだとしたら、なんでこんなこと言うのかなと。ぐへへ。

8 水分茶屋 中川口物語-暮六つ 東 裕次郎 982
時代考証の要るものは正直言ってほとんどお手上げで、なるほどと思うしかなかったりする。ただひたすら、ご飯が美味しそうで良かったなと。
あと単純に、「店の奥へ行き、襖の陰から客を見ていた」とか、店の奥に行った。襖の陰に屈んでそこから客を盗み見た。みたいに処理したほうが分かりやすかったのでは、という箇所が散見した。でへへ。

9 道 笹舟 263
アントニオ猪木の道のスピーチがいいですよね。
人は歩みを止めた時に、そして、挑戦をあきらめた時に年老いていくのだと思います。
この道を行けば、どうなるものか危ぶむなかれ。危ぶめば、道はなし。踏み出せば、その一足が道となり、その一足が道となる。迷わずゆけよ行けばわかるさ。
道という比喩は偉大ですね。この納得はほんとかよ、とか思いますけど。えへへ。

Re*3:職務経歴の棚卸しが苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(10-12)

10 尋問 群青 489
友人からの出し抜けの質問とか、飲み会での赤い舌をちろりと出すような不躾な探りとか、あるいは企業のネットのアンケートでもいいんだけど、とにかく問い掛けられることというのは、何かを考えるきっかけになるから面白い。問い掛けというのは質問者の思考を土台にした視線だと思うんだけど、だから自分にとって良い質問というのは、自分にはなかった回路に火を入れられるような新鮮な刺激がある。
というところで発想はすごく面白いと思ったのですが、書いてあるのがアイディアメモレベルのボリューム感で、展開がもう少し欲しかったなあと。迫り来る畳み掛けられる押し寄せる質問に「いっそ殺して欲しい」というような気持にも共感できるんだけど、質問にもバリエーションを足せたと思うし、殺して欲しいと思う前に、一度質問者に共感してしまうというような凹みだって作れたと思う。
料理で言ったら塩味が足りないというような味像でした。味像というのは、いま作った造語です。音像みたいな感じで。

11 ある雨の日 水瑚 257
有りだね。これは有りだね。というか、公共交通機関に乗客俺だけ一人ぼっちだけみたいになると、確かにこんな感じになるかも。外が雨で、外の世界の風景が雨で一様のベールで覆われている時なんかは、特に。というのも、これも発想は良いなあと思うのですけれど、やはりひとつの感覚だけで、もうちょっと空間を押しひろげられたらもっと面白くなりそうなのにと思いました。とはいえ、発想は面白いのでこれはこれで有りなんだろうなとか思うのだけれども。ああでもこういった良い発想を軸に展開させた作品が他にあったらそっちのほうがやっぱり良いよなと考えました。
料理で言ったら、なんかものすごく美味しい葱をそのまま小口切りにして水洗いで辛味をさっと落としただけをそのまま食卓に供された感じです。水分ふき取ってないから水っぽいし、酢味噌あえとかでもいいからなんかなったんじゃないのかなとか、あるいはモツ煮込みの上にどさっと載っていたらとか、それに七味なんかかかっていたらとか、なんかそういうじれったさがあるのだと考えました。

12 観光地異聞 山麓 997
最後が気になって調べたんだけど、神経質で申し訳ないんだけど、「もぎ取られた」ならば、「噛み切る」ではなくて「噛み千切る」じゃないだろうか。「もげる」が「ちぎりとる」という意味のようなので。神経質ですみません。
動物が人間のようにしゃべっているというところで、なんだか日本昔ばなしみたいな手触りがあった。あと指輪を取られるだけでも十分怪奇事件じゃないのかなと思った。
言葉遣い含めて↑のようなことから、料理で言ったら、俺は玉子焼き甘い派なんだけど、その俺が玉子焼き食べたらしょっぱくて違和感があったというようなところです。

あとぜんぜん関係ないのですが、段落一字下げ言ってる方は、ブログの文章でも一字下げとかしてて徹底してんなと思いました。私自身は何があっても一向に構わない派になんとなく鞍替えしました。

Re*4:朝起きるのがまじで苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(13-15)

13 お茶っ葉な女の子 ひろ 1000
すごく残酷なお話だなと思いました。
ただ、なんかこうシンプル過ぎる気がして。こう、この内容を三行で終わらせて、ゴミ箱に老女がたまって泣き言が聞こえるようになってきて主人公が神経症になるまで追い詰められるとかになってそれは話し全体が悪い男の顛末というメタファーになっているとか、あとはこのおちゃっぱ女の子に人物が夢中になってきてそれはもうコレクターになってしまい破産するとか、あらゆるものが女の子になっていくとか、膨らませて欲しかったような気がします。物足りなかったです。おわり。

14 ひとり暮らし(She is a university student) 腹心 949
これもシンプルな印象。
実はこうだったんですよ、えへへ、というお話の作り方は、もう作者にとっても読者にとっても定番だという理解があると考えているので、もうちょこっと遊びの部分を入れて欲しかったなと思いました。描写に凝る、あるいはいっそのこと今月の「『時を忘れた時計屋の話』」のようなギミックを入れ込んでしまうとか。はっきり言ってしまうと全然悪い印象の無い作品なんだけど、うおこれすごいというところのないチェーンの居酒屋さんみたいなお話。おわり。

15 若き兵器の悩み さいたま わたる 1000
もうちょっと濃い目に書いてくれたらなと思いました。
平気が悩むというのは面白いなと思ったのですが、↓のような開発者の悩みをあらわすのにそのまま心情を吐露するような処理とか、
>「お前を発動させ敵を壊滅するのが正しいのか、いやいっそ欠陥プログラムを組んで攻撃を失敗させるのがヒトとしての道か。だめだだめだそれでは心血を注いで開発したお前に対して申し訳がたたないか」
新大陸や旧世界とかってなんなんだとか、そもそも兵器がなんで思考しているのかといったところの説明がなく、ああ、こういうことがやりたいんだろうなという読者の了解を土台にしないと成立しない部分があるように思いました。おわり。

Re*5:孤独が苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(16-18)

16 続く 鼻 449
音楽準備室がすごくエッチっぽかったです。すごく。学校はとてもエッチなところです。いけないことだとは、分かっているんですが、つい、こういうこと、書いちゃうんですよね。うん。悪い。知ってる。
というところで、書かれていることは一切まっとうなことで、あんまり何も思わないのですが、これだとワンシーンだけという感じで、もうすこし前か後ろを継ぎ足して欲しいなと神様に願いました。

17 叶わない願い 黒田皐月 1000
いわゆる既存の小説などと言われているぶっちゃけ心理学や哲学の概要書をうすく引き伸ばして粗筋を付け足したようなありふれたものには飽き飽きしていて、けどまあそれでもそれを1000文字で書けるなら、ああ、おまえすごいじゃん面白いよなかなかの芸当だと思うよたった1000文字でなんか小説っぽいものが書き出せるなんてさというお遊びの陳列棚のように自分の作品含めてサイト「短編」の作品を眺めようと努めているけれども、しかしなぜか純文学と呼ばわれている訳が分からない言葉の連なりの正体は精神が対象を感覚した時の閃きを正確に言葉という形を与えたらしめて他人の心の中にも再現させる装置なのではと考えているからには、1000文字でも有り得得るだろうとふと神様にお願いしているような時がある。
例えば日記の文章とブログの文章と詩の文章と小説の文章と何が違うのかと言えば、手に取っている時の媒体が違う。彼の10年日記帳で読む手書きの日記とFC2ブログに書かれているモニタの中の日記とでは書かれている内容が同じでも体験としては違う。同じ映画をDVDで家で見るのかそれとも映画館でフィルムで見るのかそれは内容が同じでも経験は違う。これが違うと感じられなければ許されない。嘘であるということが前提の小説と銘打たれた小説をさらに印刷されていない形式で読むにあたってはすでに小説ではないから、もうちょっとそのあたりを意識的にしていかなければ、早晩神様にお願いをすることになってしまうだろう。
というところで、ちょっと既視感があったかなと思いました。

18 サードラブ 詩織 1000
なんだか40歳の人にしては全体的に若々しい印象があった。いい話だなあ。
いい話系統は、「探偵ナイトスクープ」に任してしまったほうがいいんじゃあああないのかなと思う。いや、そんな諦めから入ってしまったらだめか。1000文字の距離感でいい話をするとして、例えば『日本一短い「母」への手紙』を1000文字に薄めるのであれば、というような方法とか。というところで。

Re*6:歌を歌うのが苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(19-21)

19 傾斜 K 930
ぜんぜん分からなかった。

20 セクシャルバイオレットNo.1 水樹ふびと 442
クロッチという言葉が欲しかった。

21 二世帯住宅 中村 明 970
よく分からなかった。

Re*7:メールの返信も苦手なqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(22-24)

22 蒸しまんと粥 クマの子 1000
シノワ臭が良かった。
あるエピソードとあるアピソード、アピソードとはエピソードの打ち舞い違いだが、打ち舞い違いとは打ち間違いの打ち間違いだが、仕事を辞めるということと女が消えるということになんら合理的な結びつきはないと考えるのだけど、それに関連性を見出してしまうというのは人間の錯覚の嫌なところで、それぞれのエピソードがそれぞれのエピソードに対して対補の関係になっているんではないかと催させるのは、正直1000文字で出来ることのひとつのきっと上策。
事象が絡み合うことでその関係性はなんなんだろうかという好奇心がもたらされて、例えば二回もこの感想で打ち間違いをするというのはなにか心理的な要因があるのではないだろうか、いやあるかもしれない、そうであるに違いないといった、この縒り糸を一本一本解いてゆく快楽はそもそも読書の快楽というか観察のというか生きている人間の楽しみのひとつ。ただ解いたところで何が見つかるわけでもないという幻滅はあるし、それを知らない人もいるかもしれないし、ただ疑いは疑い続けられるだけ、みたいな。
私は長いこと翻訳小説ばかり読んでいて、そもそも日本人が書いたものを読む理由が意味不明だったのだけど、それはなんで同時代の同じ国に住む人が書いたものをわざわざ読む必要があるのかといったところなんだけど、最近は日本人が書いたものもなるほどここが好まれているんだなとか思ったりもしたりしてるんだけど、「こそばゆい」とかこういう言葉に惹かれるからなのかなあと思ったりしているんだけど、ただ、こういうところに執着して書かれているものというのはたいてい構成というか美観が建築的でないというか、現実に対してひどくもろいというか、物理的には存在できそうもない世界を感じて、どうもそのあたりが苦手なんだなあ。体臭があるのが好きかどうかということなんだと思う。

23 梅に猿 宇加谷 研一郎 1000
レオナール藤田展? 人形は恋月姫がいちばん好きです。人形が出てきてすごくうれしかったです。好きな言葉は人形作家です。
ばらばらとしたイメージがイメージがちらばっていていろいろとこちら側の記憶を思い起こさせるのだけれども、思い起こったイメージが本文に引っ張られてどこかへ連れて行かれるということもないのがなんか残念。人ごみを、雑踏を、ぼんやりと眺めている気分みたいになった。

24 変態 シミズヒカリ 999
言葉が滑っていく。で、これにまた何を足し算するかということを考えたらもっと面白いんじゃないのかなと思った。言葉の滑らし方だと、もっと上手い人がこのサイトには居たし、そもそも滑らしていくという手法そのものではあんまりだし、その手法がいわゆる現代における諸問題の何を照射しているんだろうかというのがないとなんかあんまり情熱的を感じられないなあと思った。なんだか勝手なことばかり言っても申し訳ないです。

Re*8:苦手も苦手な苦手のqbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(25-27)

25 空間 ei 990
抽象的すぎるんじゃないのかなと思った。
特に最後のほうの「両脇のビルは今にも朽ち果てそうだ。」みたいなところは、すごく観念的。別にここはお話の状況に合わせて「朽ち果てそう」なビルである必然性がないのに、作者の都合で「朽ち果てそう」となってるように思う。朽ち果てそうなビルの周辺に住んでいる理由が、具体的に描かれているのならば納得できるのだけど。
ただその抽象は、寝取られというストーリー、寝取られでいいのか分からないけれど抽象的だから、そのストーリーにもやもやとしたトーンを与えていることも確か。寝取られという既に行われてきたお話の繰り返しをこの抽象性というか情報不足が救っているところもあるかなと。
映画を撮影するところを想像する。ワンシーン。ある部屋で男が二人。なにか対話をさせる。そういう場合、こういう小説を脚本にしたならば、映画監督は勝手に小道具を設定しなければならないということだ。ベッドは画面内に映っているのか。携帯電話が女からの着信を暗示させて光っているのも面白いかもしれない。なんだかねっとりした話だからペットに爬虫類がいて水槽に入ったそれをシルエットで映そうか。読者は映画監督の役割をも担うわけで、負担になる。それが悪いわけではない。ただ読者というか人間は視覚の世界に浸かりきってると考えている俺としては、自由度を上げすぎてしまうとついてこれなくなってしまうのでは、と思う。もちろん全部書く必要はない。必要なところだけを書き出せばいいと思う。

26 嫌 わら 1000
 十一時開始の大阪客先ミーティングに間に合わせるため朝の早い電車に乗った。西武新宿線高田馬場から山手線で品川駅に向かう。
 電車は七割混といったところ。
 五反田だったと思うが黒いステンカラーコートの年配の男性が米国の黒人大統領は殺されるぞと言っていた。怒鳴り声で。イヤフォンを差しこんだ耳にも聞こえてきた。男性は乗降口最寄の吊革に手をかけて目の前の座席に座るこれも黒いコートの中年に語りかけていた。あけすけな人種差別を促音便のような軽々しさで謳うので二人は上司部下の関係なのかと俺も脊髄反射で思った。違った。次の停車駅で座っていた男は降りて隣の車両に移った。俺はイヤフォンを耳から外した。
 俺は乗車口の脇に寄りかかって読書するのが習慣なのでその様子がよく観察できた。俺ならばマゾヒストだし好奇心も強いし守る家族もないので刺されても迷惑をかけないし座っていただろう。
 品川で俺はカートをひきずりながら降車した。妄言の男はマスコミの信頼性とマスコミに対する大衆の盲目について語っていた。君子危うきに近寄らずよろしく周囲もその男から距離をとっていたし男の直前の空席に誰も座らなかった。アメリカの世界貿易センタービルの事件以来弱々しくなってしまったそうだがインターネットのことをネオジャーナリズムだとか言ってもてはやしていたりしていたのだと大学の後輩が言っていたような気がするし、今更ネット以前の公共の電波がいかに私用の為に使われていたのか知らない人もいないだろうし、そもそもそういった枠が電通や博報堂といったメディア仲介屋の収益源となっているのだから、信頼性も何もないだろうなどと、口さがないグローバルカンパニーのエンジニア風情にはてなブックマーク欲しさにアノニマスでオバマに注釈をくわえた男は戯画的に描かれるかもしれない。
 いやこれも偏見か。偏見など、どこかに定見があればの話しだが。
 しかしそれにしてもネオジャーナリズムという呼び方で正解だっただろうか。自信がない。曖昧模糊。五里霧中。本当が、明日の彼方。
 品川のecuteという駅内商業施設で文庫本と客への手土産を購入した。土産は「ごまたまご」。外側のがりがりした感じが好きだ。本は人から薦められた伊坂幸太郎の「重力ピエロ」。本屋大賞受賞作家らしい。
 自由席だったが席には座れた。寝るか読書か会議資料確認かで迷う。東海道新幹線は目的地まで向かいだした。

27 ホーム・ホーム・ホームレス 暮林琴里 1000
なるほど。なんとなく、日常に帰ろう的ないい話の感じがしたのですが、なるほど。

Re*9:たこ、いか、かに、qbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(28-30)

28 R fengshuang 718
昨日と同じことしてなんの意味があるのか分からなかった。

29 フォークロア えぬじぃ 1000
信じられない。

30 金子口輪社 qbc 1000
かねここうりんしゃ。

Re*10:ぶた、とり、うし、qbcが第77期作品の感想を日にみっつずつ(31-32)

31 青空(空白) euReka 989
抽象的すぎる印象。この男女はいったいどんな関係なのか。男の職業は、状況は、年齢はなんなのか分からない。ここはどこなのか。
何かが何の形も取らずに何もかも分からないまま通り過ぎていった気がする。

32 とある二月の昼下り 三毛猫 澪 1000
生暖かい感じがしました。
先輩が一個の人物として成立していないように感じた。バレンタインに相手の部屋で「独占できた」関係ならば、先輩もすこしは後輩のことを意識したのではないだろうかと邪推する。
また、人物の心情を地の文で説明しすぎていて、メリハリがなくなってしまっているように思う。例えば「いきなり私の前髪をかき上げ、手のひらで額を覆った」といったシーンは、行動で二人の関係の親密さを示しているところで、地の文をもう少し減らしても余韻で情景を印象付けられたかもしれない。
そして「ゴミ箱の銀紙はなによ」といった小道具は、いきなり出さずに前半で伏線として仕込めたのでは、と思う。

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