全投票一覧(日時順)

第55期決勝時の投票状況です。8票を頂きました。

#題名作者得票数
13スケッチブックと君の瞳心水 涼3
15おしりこ冬口漱流3
-なし2

2007年5月8日 23時35分37秒

推薦作品
スケッチブックと君の瞳(心水 涼)
感想
主人公が少年に対して強烈なライバル心を抱いているのだと読みました。そう読むと、若い画家の荒々しいエネルギーが感じられるようで面白いです。(三浦)(この票の参照用リンク

2007年5月8日 23時23分37秒

推薦作品
おしりこ(冬口漱流)
感想
何となくですが、感覚でこちらに一票。(この票の参照用リンク

2007年5月8日 23時10分41秒

推薦作品
おしりこ(冬口漱流)
感想
いやもうほんとにただただ呆れるばかりの巧さだと思います。その上面白いし。少なくとも僕の中では、これまでの短編史上でも上位にランクされる作品でした。(この票の参照用リンク

2007年5月8日 22時4分58秒

推薦作品
なし
感想
今期はなしです。
自分の推した作品が一つも残らなかったし、決勝の作品の中で何度か読み直してみたけれど、積極的に優勝と言える作品が無かった。(この票の参照用リンク

2007年5月8日 12時56分28秒

推薦作品
おしりこ(冬口漱流)
感想
 通夜だの葬式だのは「出物腫れ物ところ嫌わず」だ、と、小癪なことを言ってのけるヒロインの存在感が、そのぼってりとした尻の質量ともども、的確に表現されていることに、まず、唸った。寿司の好き嫌いが「頭の傾きに現れる」あたり、鋭い感覚に裏付けられた、かつユーモラスな描写だが、ヒロインはそのことすら「知らぬ気」である。男の視線にさらされながら頓着もしない女の、したたかさと倦怠とが、冒頭から確実に読み手に刻まれる。

 しかし・・・ これだけの生々しい質感をたたえながら、女は中盤以降、少しずつ、この世のものではなくなっていくように思われる。いきなり仕掛ける言葉遊びも突飛なら、その遊びに男が四苦八苦するのを見ても、ちらと微笑をうかべるだけだ。遊びが進むにつれて、ぼってりとした「重力の女」が次第に、謎めいた、とらえどころのない女に変貌していく。

 後段は、こうした女の変容をとらえて見事だ。別れ話を切り出し、不意に男の手の届かない場所に行ってしまおうとする女が、末尾、「冷たい肌」を押しつけてくる。「灯るような温かさが、腿から脹ら脛にかけて、ぼうと流れた。」切って捨てるようなこの結尾で、女は不思議な魔のような存在となっている。同時に、「冷たい肌」と「温かい」「流れ」との感覚的な対比からは、何か人間存在の哀れさ、とでも呼びたいような、はかない、寂しい印象が鋭く立ち上ってくる。この「短編」の作品群の中でも、屈指の美しさをたたえた結末だと思う(猥褻、という感想があるのには驚いた。)

 そこで冒頭の「ものを食う女が恐ろしい」というフレーズに、もう一度立ち返ってみる。「ものを食」いながら、自分の重ったるい存在を周囲に放散していた女が、その重力を保ったまま、徐々に男の手を離れ、この世ならぬものに変貌していく様子。確かにそれは「恐ろしさ」と言ってもよいだろう。同時に、人がこの世に生きてあることの、もの寂しさ、凄愴の一歩手前にあるような、寂寞とした感覚が、読後、しん、と残る。

 最後に・・・ この作者が言葉を酷使していることに、深く共感した。単語のひとつひとつに抵抗感があり、しかも、それぞれの独特な言い回しは決してひとりよがりに終わっていない。こうした言葉の使い方といい、また寂寞とした読後感といい、古井由吉のすぐれた短編に匹敵する好編だと思う。(でんでん)(この票の参照用リンク

2007年5月8日 12時29分40秒

推薦作品
なし
感想
予選で「小説を掴まえた」に投票したけれど、それは文体に一票、ということであって、何がなんでも「小説を掴まえた」がオススメ! ではないので決勝では遠慮させていただく。

で、ほかの決勝作品はどれも楽しく読ませていただいたのだけど、いざ投票するとなると、むしろ予選であまり投票のなかった傑作(と自分は思った)のことが気になる。もう一度挙げておくと

休暇のはじまり(三浦)
やる気・元気・渡邉美樹(戦場ガ原蛇足ノ助)
茜差す(長月夕子)
北京島にて(るるるぶ☆どっぐちゃん )
例えば千字で永遠を(黒田皐月)

上記の5作品はそれぞれとてもよかった。もし読み逃されている方は、あるいは決勝しか読まないゾーと思われている方は一読をオススメしたい。強烈な喉ごし、ではないけれどもどこかホッとして読み返したくなる。


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2007年5月6日 18時15分52秒

推薦作品
スケッチブックと君の瞳(心水 涼)
感想
 〆切日にあわてて全作品を斜め読みして、ほとんど即興で投票したら自分の推した三つがぜんぶ予選を通った。これは『短編』を読むようになって以来の快挙じゃないかと思う。
 自分が千字を書かなく/書けなくなったせいか、ひとの作品には感心することが多くなったとも思うのだけれど、今期は純粋にみても力のある作品が集まったと思う。票が割れたのもむべなるかなである。
 この作品は完成度ももちろん高いと思うのだが、加えて少年好きという個人的趣味で愛着がある。いっそわかりやすくショタと言ってもよいが、もちろん私の勝手な受け取り方であって作者の意向とは全く別のことである。でもまあよく出来ていると思う。誰かの感想で、最後に少年の絵を壁に貼るのはどうかというような意見があったように思うが――そういえばいま表示できなくなっている掲示板にこれまで掲載された感想はどうなるのであろうか――、最後はどうしてもこうなるべきものだろう。なぜならそれは語り手が少年の憧れの対象と変化した瞬間における、彼の愛の表現にほかならないからである。これから二人がいかに関係を深めていくのか知りたいように感じる。(この票の参照用リンク

2007年5月1日 23時12分19秒

推薦作品
スケッチブックと君の瞳(心水 涼)
感想
予選通過作はきちんと物語してると思いますので(それ以外の作品にもそう思えるものはあります)、あとは話と作りの好みで本作に一票を投じます。(黒田皐月)
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