第264期予選時の投票状況です。5人より11票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
4 | 病気 | 蘇泉 | 3 |
5 | わたしも今夜、あなたのことを考えながら眠ります | euReka | 3 |
1 | ループ | 病みねこ | 2 |
3 | これって恋ですか? | 朝飯抜太郎 | 2 |
2 | 曲がり角 | たなかなつみ | 1 |
最短を目指したSF。面白い。
2000年後に仕事がなくなっていてよかった。逆に増えていた概念を知りたい気もする。
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遠い未来に今では通常存在するものがすべてなくなっているようなのが面白い。
タイトルは「病気」だけれども、読み手の自分がいちばん驚くのは、やはり最後の行。
「仕事」のないニンゲンには不具合が出る人も多そうだけど、クリアできているのかな。
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少しだけひやっとしました(この票の参照用リンク)
『わたしはここに存在します』という意味ありげな言葉は、タオルの言葉→ネットで流行った言葉→あたりマーク→全部デマというようにすかされていく。
また「わたしも今夜、あなたのことを考えながら眠ります」というオペレーターの彼女の言葉は、私を落ち着かせ、私が戦争を生き残るよすがとなったかもしれないが、それもまたネットで流行った言葉だったのかもしれない。
信じられる、確かなものが欲しくても、そんなものは存在しない、というような絶望的な話ではあるけれど、オペレーターの女が、確かに知っていた言葉を使ったのかもしれないが、本当に男のことを考えていたとすれば、そこには少しの希望があって、この話を少しだけ希望を残す。
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それぞれの命の軽さが、『わたしはここに存在します』という言葉とあいまって、
リアルに感じられる。「笑い」というのはそれに対峙できる力だと思うけれども、
命の軽さと呼応して本来の力は発揮できていない。戦争が隣にある日常を考えさせられる。
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極限状況では、さらにその状況が続いたら、感情との向き合い方まで混乱を来してしまう、と確かに聞いたことがあります。語り手とオペレーターの彼女とTシャツを着た子どもの関係が読み取りにくかったのが残念ですが、心に重くのしかかるものがある作品でした。(この票の参照用リンク)
怖い。病んでいることもあるが自分のことしか考えてないし、数日で恋人できるし。そして「君」はまた次の人に移っている。「君」は役割であり、そこに個人がない。ありふれているからこそ恐ろしいホラー。
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他愛無い失恋の話のようにも見えるが、ただのインターネットを通した付き合いでしかなかったという背景を考えると、痛々しいというか病的な風景だなと思う。
ちょっと調べてみると「一生リアルでは会わずにネット彼氏(彼女)のままの付き合いがいい、という人もいます」みたいなことを紹介した記事もあり、現実にそういうことがあるんだなと。https://coconala.com/blogs/1206780/409560
もちろん、ネットを介した恋愛が結構前からあるのは知っているけど、今の時代はそういう恋愛の形もありなんだなと思うと、なんだか複雑な気分になってしまう。
でも小説の題材としてはとても現代的で魅力的だし、絶望だけでなく、希望のような何かが表現できたら面白い作品になるかもしれない。(この票の参照用リンク)
加藤くんが何を話していてもずっと同じテンションなのと、
語り手が加藤くんの話に応じながら、大きすぎるリアクションを抑えているのがおかしい。
途中で思わぬ遠さにボールが投げられたけど、きちんとタイトルに戻ってくるのも楽しい。(この票の参照用リンク)
テンポが良く、楽しく読めました。これも青春ですね。
『病気』は、1970年代のSFが夢見た未来を彷彿とさせました。ただ、その未来で人々は何をして生きているのか、むしろ不安にさせられました。父の言葉にはない病気と病欠について、子どもはどこからその言葉を耳にしてきたのでしょうね。
『ループ』は、分かりやすくありがちな青春の一コマかと思わせて、結末が何が何だか分からなくなりました。ありきたりには終わらせられなかった、のだとは思うのですが…。
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人生に何が起こるか、本当に分かったものではありません。偶然見つかったものから自分の心をどのように前向きにするか、それも出会いの一つなのでしょう。”いろいろ話しておけば良かった”という後悔も、その場では結局話せなかったという現実も、未来を生きるよすがとなればと思います。(この票の参照用リンク)