第144期決勝時の投票状況です。3票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
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8 | 無人島 | 池田 瑛 | 2 |
10 | 哀れな祈り | スナヲ | 1 |
全体的にほんわかした印象があって、のんびりしたおかしみがあって、そのすべてが技巧的で、すごく好きな話です。(この票の参照用リンク)
のんびりとした空気と、ブラックユーモアに。
書き手にとっての面白さと、読み手にとっての面白さは違います。いくら技術として巧くても筋が面白くなければ、読み手にとってその作品の評価は微妙なものになるでしょう。書き手の工夫や技術はあくまでも、物語の流れ、話の筋の面白さを支えるための手段です。
うまく言えませんが、この作品は読み手にとって面白い作品だと思います。描写に無駄がなく、誇張も不備もなく、最初から最後までの流れが丁寧に作られている。そもそも、そういった技術的な部分を読み手に意識させないところが巧い。だからとても読みやすいし、面白いのかなと思います。(この票の参照用リンク)
書くだけ野暮かもしれないが作者の工夫に誰も言及しないなんて有り得べからざることではないか。
最後まで骨を拾い続けたのは妻だった。
連れて帰ってあげる
骨壺は胸を押し潰す程軽かった。
正確には、お墓に、壺、入れようか、と妻は言った。
食後に飲むのが服薬ゼリーで包んだ白い粉末だけ
胸を押し潰す程ではなく、ただ虚しく軽かった。
妻は、食後何も飲まなかった。
軽いのに、私の胸を押し潰すようだ。
全部帰ってきた(この票の参照用リンク)