第103期決勝時の投票状況です。8票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
11 | 穴 | Y.田中 崖 | 5 |
1 | 幽幻の | 桐月 | 1 |
10 | 卓上の高級猫缶 | 十六夜 | 1 |
- | なし | 1 |
今期では最も興味深く読ませられた作品だと思いました。(この票の参照用リンク)
「猫缶」と迷ったけど「穴」に投票。
俺みたいな素人が批評家きどりであれこれ言うのもアホらしいので、簡単な感想を。
一言でいうと「穴」は雰囲気が良かった。登場人物を動物に例えてるところとか、世界観が独特で。読み終わったあと、何かが胸に残った。
いや、胸に引っ掛かった、の方が適当かな。もしくはつっかえた、とか。そのどこか煮え切らない感じが好きだったので一票。
その点、猫缶と幽玄は若干尻すぼみっつーか、物足りない感じがあったかな。まぁ、あくまで俺は、だけど。(この票の参照用リンク)
穴に投票。
「幽幻の」
きれいごとだけ並べた感じ。
「卓上の高級猫缶」
こういう日常をちょっと変化させるようなアイディアって必要だよね、と思うけど、それ読んでも小説って感じがしない。
「穴」
動物に見立てたところ。体のパーツ化。この2点。(この票の参照用リンク)
一読後、否がないと思われた作品はこれだけだった。
詳しいことは八割方、先の投票で述べられてしまっている。
特筆するなら、個人的には第一と第二段落を入れ替えてもいい気がした。苛めの描写が会話のあとに来れば、キャラに深みが出ると思うのだが。しかし、それは否ではない。反対意見もあるだろうし。
さて、
『幽幻の』は、半端だなあという印象。七五調だったり、まどろっこしい部分もあったり、その有耶無耶さえ幽幻ととるならば尚も完成形が最良とは思えない気がした。文脈にしても、作品の長短にしても。
『卓上の高級猫缶』は弾けが足りない。なぜこの物語を紡ぐ必要があったか。何を伝えたいのか。それは既に先人たちが似通った形で書き繋いできたものではないか。そのなかにあって本作の魅力はどこに潜むのか。そんな問答を練っていけば、俺のような意地悪い読者の感想も解せなくはないだろう。とはいえ、作法に則りながらも自分の言葉で語ろうとする姿勢には投票したい。(楡井)(この票の参照用リンク)
「穴」に一票
「幽幻の」
「紫紺の空」「月」「花弁」「酒」「宴」「祭囃子」……おぼろげで儚げな情景を表現したいのだろうが、どうもその近辺の単語をただ列記しただけという印象が拭えない(文を中途で切るやり方も、ただ賢しらな印象しか受けない)。
その刹那においてしか捉えれない感情の息遣いが感じられない。
「卓上の高級猫缶」
野良猫を気まぐれに拾うというありふれたモチーフに、それが日常ありふれているが故に、ヒロイズムに浸る主人公が可笑しい。が「俺は本当に猫を救う気で連れてきたのか。自分が侘しい生活から救われたいだけではなかったか。」という内省については陳腐な印象を受けた。
「穴」
動物に見立てることにより、生々しい中にも登場人物の表情、感情が失われ、匿名性が際立つ。私はバラエティ番組などでよく見かける馬の(恐らくゴム製の)被り物をイメージしていた。
穿たれた穴は、そうしたものどもによって隠蔽さるべきものであり、さればこそその欠損自体が、登場人物の人間性を彼ら自身に対して約束してくれる。ではその失われたはずのパーツは何を意味するのか。本来補完する役割を担うはずのパーツ(「左目」「乳房」)が穴に嵌められた時、抗いがたく慰められることのない本当の喪失が訪れるのではないか。(この票の参照用リンク)
予選でも確か投票したかと思いますが、矢張りいいですねえ、雰囲気が私の思う理想の型にはまったか。(この票の参照用リンク)
予選に引き続き推します。
今期、笑える作品は少ないですが、この作品は十分に面白い。
(この票の参照用リンク)
予選に引き続き、票なしでお願いします。次回に期待します。(この票の参照用リンク)