仮掲示板

第100期全感想

 100期おめでとうございます。

 さてせっかく参加することが叶ったので、全感想までちゃんとやろうと思います。前置きとしまして、私は小説に関して大変偏狭なんで、一個人の感想として聞き流していただければ幸いです。


1おそらく エム✝ありす 1000

こういう小説が読みたいから1000字小説を読むんだなという自身の発見がありました。


2 完全遮蔽物 八代 翔 628

 誰も彼もに、自分の短所がバレバレってすごいタイプの人ですね。というかそんな濃密な人間関係ばかりなんて息が詰まりそうです。それはともかく、こういうタイプの短編は好きになれない。それでもそんな個人の好き嫌いを飛び越えてきてぐっとつかまれるような作品はたまにあるけどもそこまでの力はありませんでした。


3 穴と棒が登場するからって卑猥だとは限りませんのよ? koshi 990

 なんだろ、方向性が定まらないというか、ベクトルぐるぐる回っちゃった感じでした。


4 山羊たちの沈黙 なゆら 999

 なんとなく面白かったけどなんとなく不満が残ってしまったのはなんでかなといろいろ考えたんですが、長いのか逆に1000字では足りないのか、もしくは落とし込むとこの持っていくまでが長いのか、いろいろ短編にありがちな理由が浮かびました。


5 植物のひと

 動画の話が連続で出てきて驚いた。そうか動画ってもうあたりまえの世界なんですね。フイルム装填してる場合じゃないですね。
 千葉にはそんな人がいそうだなと千葉県民として思いました。
 飛躍した設定の話を小説としてひっぱっていくには、その世界の細かい描写は排除したほうがいいという話が「ぼくは王さま」のあとがきに書いてありまして感銘しました。この作品で試してもらいたいなと思いました。


後日につづく。

第100期全感想②

6 大逆循環紙芝居 卒業証書授与式 笹帽子 1000

 笹帽子さんの小説はもうずっと読んでて、人生の中で最も濃いであろう期間の作品が読めるのは読者として幸いな事であって、そしてまた都度感じるのが、物語るにある一定のリアリティがちょっと足りないかなと感じていたんだけど、こういう表現方法を選んでしかる後にくる何かを読める時が来るんだろうなとひそかににやにやしています。

7 死神様だ~ ねむ亭三 849

 落語のパロディかしらね。あの落語の最後の語りってすごいですよね。最後のシーンの息詰まりおかしい感じをあの舞台に正座してるだけで聞かせるってすごいなと思っています。あれくらいの緊張感と弛緩があればよいのになと思いました。

8 十四歳 村上鉄心 733

 割とよくあるというか、あえて小説にするほど面白くはないかなと思いました。
「十三歳」という作品が前にあったでしょう?
 ああいう感じに仕立てちゃったほうが作品として面白いと思うんだけど。直截的に表現しちゃったらなんていうの、十四歳付近の雰囲気が簡単に説明されすぎると思いました。もっと混沌だよねあの年代。

9 茶柱 八海宵一 1000

 当たり障りなく進んでいくんだけど、私は八海さんにはもっと空気感が分かるようなそんな小説を書いてほしいなと思っています。一番最初の作品のインパクトがすごいんですよねとにかく。未読の方は是非。「冬が溶けるとき」ですよ、すごいよ。
 因みにこの作品の中で読者を立ち止まらせちゃうのは「茶柱=カニ。湯飲みの中に浮いているのは、カニである。嘘である。」の一文かと思います。これは邪魔な一文だと思いました。


10 うたかた 三浦 1000

 えー!すごい。これは優勝でしょうよ。ここまで読んだ中では断トツでしょうよ。
 千字とは思えない読後感ですよ本当に。
 すごいなあ。最後の着地点も大好きです。


あまりにも感激したんで今日はここまでにしときますがまだだらだらと続きます。

第100期全感想③

11 ぺったんこ 三田村真琴 956

 豊胸すると、手触りってどうなの?手触りとか関係ないのか?見た目か~。
 見た目と手触りならどっち取るんだろうか。とかだらだらっと思いました。
 なんかこう、バーッと勢いに任せてかいたような雰囲気があってそれもまたいいのかもしれないけど、私個人としては物足りないです。

12 泡の子供 並盛りライス 589

 おお、テーマが被るものがまた!
 個人的には、安直さを感じてしまいました。それはそれでいいのだろうけども。

13 スノウ・ホワイト サカヅキイヅミ 996

 1000字でしっかり世界観を描ききるのがいつもすごいなあと思ってます。

14 那由他と阿頼耶の狭間にて 彼岸堂 1000

 扇風機、夏、少女、弟、そしてその空気感や感触が思い浮かべられてそれはよかったかと思いますが、なんというか、もっと締められたらよかったのではないかと思いました。拡散しすぎているというか。

15 みさき 長月夕子 998

 今更誤字があってすみません。「~するように」ということばが何回も出てきて読みにくいですね。すみません。

16 特技 オハラショウコ 1000

 すごく上手に可もなく不可もなくまとめてあるから、電車の中吊りとかに書いてあったらほっこりする作品だと思いました。しかしながら、「短編」というサイトで優勝を狙うにはもっとひっかいてほしいなといった感じです。
 何かがあるかないかというのは1000字では結構顕著に出るもんではないかと思っています。

http://tanpen.jp/24/23.html
http://tanpen.jp/12/15.html

↑ほっこり路線で短編としておすすめなのはこんな感じかなあ。



17 おせっかい きくまのり 1000

 1000字を使いこなしているなという感じはするけども、乗りこなしているようには感じられませんでした。
 そうだな、たぶん、個性が足りないように感じるのかもしれません。作者が引っ込みすぎというか。

18 SAKURA 高橋 1000

 バンの中の描写に引き比べてその後ろを走るトラックという構成は面白かったんだけど、トラック内の描写が分かりにくいかなとは思いました。1000字にするにはつめすぎているような。

19 不比較 クマの子 1000

 句読点がちょっと多すぎやしませんか。そのせいでつっかえつっかえになっちゃって残念に感じました。私は厄年なんですが、お正月にうちの宗派のお寺で「この宗派は祓わなくっていいのよ~気を付けてればいいのよ~」と言われて平穏な気持ちになったことを思い出しました。



 今我が家でインフルエンザが猛威を振るっていて、私以外寝込んじゃってるんで、全感想最後までいけるかわからないのですが、投票までには無理でもこの期が終わるまでには書きたいと思います。
 皆様もインフルエンザにはお気をつけください。私はどうやらワクチンが効いてるようです。大人には効くようです。子供には効かなかったようです。

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