仮掲示板

ひとり短編結果発表

北村さん、また短編にこられている皆様、
おじゃまさせていただき、誠にありがとうございました!!!

三浦さん、黒田さん、全感想をありがとうございました!!!

そしてもちろん、ハンニャさん、西さん、長月さん、もぐらさん、三浦さん、
そして私の知人、投票ありがとうございました!!!
※投票は上記の方々プラス私の7名から投票いただきました。


投票の結果、「ひとり短編」の優勝作品は、

3 プラットフォーム qbc
8 毛の抜けた男 qbc

に決定いたしました!!!

<投票結果詳細>
3 プラットフォーム qbc 3票
8 毛の抜けた男 qbc 3票
2 スピーチの草案 qbc 2票
4 紙片 qbc 2票
6 泉 qbc 2票
10 ばべぼぼぼべべ qbc 2票
5 毛にまつわる物語 qbc 1票
9 第三木曜日 qbc 1票

作品1-5
http://tanpen.jp/bbs/nbbs.cgi/temp:t/437
作品6-8
http://tanpen.jp/bbs/nbbs.cgi/temp:t/438
作品9-10
http://tanpen.jp/bbs/nbbs.cgi/temp:t/439


以下、おまけとして<あとがき>を付記いたします


1 ……………………!
慢性的な鬱病の友人から聞いた「虐待されている自分を、まるで幽体離脱したかのように映画のワンシーンのように見てしまう」という話を素材に書きました。
(  )内がもうひとりの自分の視点になります。
文体実験に留まってしまったというのが反省点です。

2 スピーチの草案
結婚式のスピーチ原稿という体裁からある人間の恋愛観を写そうとしたものです。書いてみたんだが、結局使わなかったバージョンの原稿ということになります。
素材はとくに思い当たりません。が、書いた後で気付いたのですが、与謝野晶子の「やわ肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君」が思い出されます。
「読まれなかったスピーチの原稿」としたほうがテキストの立ち位置の説明として分かり良かったかなと反省しております。

3 プラットフォーム
幼女好きな女性がおり、「まだ汚れていない肌がたまらない」と伺い、それを素材にしました。
プラットフォームという足場に立ち、少女に翻弄される男の話。
展開を追うだけの話になってしまったかな、というのが反省点です。
姪かわいいとの感想ありがとうございました。言われてみると、たしかに私はガンダムのカツレツキッカやハルヒのキョン妹(新人)などのキャラクタが好きかもしれないと思いました。愛らしいし動かしやすいです。

4 紙片
ノサック「童話の本」より着想。
喪失への恐怖を表すためだけの文章。文章内の人物や状況に意味はありません。
長月さんの感想にあった「問題点」が、「恋人が私の輪郭を作っていた」という部分ならば、これは私が恋人を失った時の感慨なので、失ってみないと分からないものなのかもしれません。自分がそれを忘れてしまわないように書きました。

5 毛にまつわる物語
フランスの大学かでたしか「ドラキュラ」を全学生全職員に読ませるのだそうです。そうすると見知らぬ相手でも「ドラキュラ」の話でコミュニケーションできる。素材はそこからです。日本でも携帯電話のストラップに自分の好きなキャラクタをつけて、たとえば「キティちゃん好きなんですか?」と会話の糸口を見つけやすいように、意識的なのかどうか分かりませんが、そうしている人を見かけます。
三浦さんから「ピノキオ?」との感想をいただきましたが、同期の女の子は、こういった物を媒介にしたコミュニケーションの中で自分に嘘をつくことのいち顛末をあらわしたキャラクタです。

6 泉
カフカ「掟の門」の自分なりのリライトです。
泉は女の欲望でもぐらさんの感想にいただいた読み方をされるように書きました。これには洞窟の前にセーラー服の少女が立っているというバージョンもあったのですが原稿を無くしてしまいました。

7 はりこ
部室に赤いコーンを持ってきたのは実話です。その行為の意味はなんだったのかとふりかえり、いじくっているうちにできました。あとシェイカー以外は創作です。
「今や彼は全貌を明らかにしていた」以下の文章はなぜ女が男に惹かれるのかの重要なところでしたが、おざなりな書き方でそこが反省です。

8 毛の抜けた男
知ったことではないと思いますが、「毛にまつわる物語」の第四毛です。毛モチーフのスピンオフ。
「紙片」と同じ体裁で内容に意味は無く、「もうなにもできなくなった空元気の人間」を表すためだけの文章。
もぐらさんの「恋愛の匂いのしない男女関係」という感想ですが、いただいてみて、この作品の関係は母子関係を漂わせているように思いました。子供になりたがる男もいるし、母親ぶりたくなる女もいる。体を合わせてみたが合わず、けれど気は合った二人。性欲や経済とは違うところで依存し合う関係なのかもしれません。

9 第三木曜日
老人を描きたかった、もっと言うと昭和史を知っている人間を描きたかったのではないか、と思います。しかし理解がぜんぜん足りず、若い女の子寄りの視線でまとめて全力で逃げており、自分の中では中途半端な印象があります。
ちなみに老人への興味は大友克弘「童夢」を読んで以来持っています。
三浦さんの感想でいただいた「若い女の子にでれでれする老人」は私も好きです。いつの時代の老人もこうであったか気になるところです。

10 ばべぼぼぼべべ
「姉の話」(http://tanpen.jp/56/19.html)での姉への畏怖や違和感、「生活問題」(http://tanpen.jp/51/19.html)の身近なものでコミュニケーションが阻害される、「幸福の条件」(http://tanpen.jp/46/18.html)と「メフィストフェレス」(http://tanpen.jp/58/19.html)の年上の女性や不倫といった断片が、自分の姉の結婚と結びついてできた作品。
西さんからいただいた感想の「ポリ袋に口紅」は私も好きで、この情景が浮かんだからこそ書いた作品でもあります。
タイトルは、読んでいなかったのだが題名だけ印象的で覚えていた芥川龍之介「あばばばば」から。書いたあとで読んでみたら近似性がないこともない。
姉と弟にもう一歩踏みこめたらというのが反省点。

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