第164期決勝時の投票状況です。3票を頂きました。
# | 題名 | 作者 | 得票数 |
---|---|---|---|
2 | 私の叔父さん | 三浦 | 3 |
2私の叔父さん三浦3○
偉大。
何度も、何度も絡みつく足元の草むらというのは、何気なく読んだワードが数行目にまた現れ、読んでいる私に意味を読み解けとふっかけてくるから。その感覚のこと。けして演出過剰ではない、ゆるくひくくうすくモチーフがリフレインされる様が、かっこいい。うつくしい。
結局、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて死んでしまえ、ということを上品にユーモア高く表しただけなのか、写真洗浄(ふっと初読は知ってる言葉と思って流したけど、検索したら東北震災で汚された写真の洗浄についての記事ばかりだった)はどこまで作品の根幹に関わっていることなのか。
技術的なことを言うと、ちゃんと、5段落「旅行はなくなった。」があるからこそ、6段落「父さんは母の前で馬に蹴られて亡くなった」が納得できるように書かれているとかもね。
こんなん、世の中にあった? とか思った。すでにあったらごめんなさいね。私の経験の中ではすごかったのよね。
6第一夜in2○
夏目漱石、夢十夜、こんな夢を見た。没後百年な。
感覚的に、あこれ正解だよ、って、意味は理解できないんだけど分かる。知らないけど、分かる内容だった。
例えば最後、「私あるいはあなたがその劇場に姿を現すことはなかった」ことに関して論理的にはとうてい説明できないんだけど、分かる感じがする。
でも、フックが、引っ掛かる部分がなくて、もわっとしてしまった感じ。
22あれぐろ・こん・ぶりお宇加谷 研一郎2○
「忘れないために書くのかもしれない。」そうだ忘れないために書くんですよ。明日の自分は別人だからね。
という、それ以上でもそれ以下でもないと思った。すばらしい発見だけれども。
したがって「2私の叔父さん三浦3○」。
結局、自分のアタマで分かる、知ってる、説明できる、って作品に投票するだけなのかもな、と思いつつ。
わあようこそ二流の読者さん、いらっしゃい。所詮自分と同じ、所詮自分の好むものが正義だと感じてしまう、勘違いスペシャリスト集団、ねえあなたたちはベテランぺてん師なのですね自分を騙す。人生真っ向真っ先末期まで偽りのお客様いらっしゃいませ。ようこそ、さああちらがあなたの墓場ですよっ。と思ったりした。(qbc)(この票の参照用リンク)
ごつごつした文章なのだけれども、細かな言葉やエピソードがあらためて拾われる濃やかさが同居していて、
読んでいて楽しいというのが推薦理由です。(この票の参照用リンク)
一旦取りついてしまうと、その味わい深さに惚れる。
「海街diary」が想像した以上に面白い映画で、比較するのはおかしいかもしれないが、重たい部分を各人がかかえつつ、明るくふるまう。
それだけでいいと思った。(この票の参照用リンク)