第122期 #7
ボールは太陽を隠してしまった。すぐに出現して目をくらませる太陽が、太陽であり続けるように、グローブにおさまるボール。響く音が耳に届く頃、あさってのほうをむいたテルさんが、おいあれ見てみろ、と叫ぶ。そっちを見れば、テレビ塔の先っちょの右、雲があって、その形がおっぱいみたいだった。彼女は風に流されて、乳首がテレビ塔の先っちょに当たるとあんあんと喘ぐように崩れてしまった。テルさんが何か言ったが、ちいさすぎて聞こえない。