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第27期予選時の、#21水色(川野直己)への投票です(1票)。

2004年11月4日 18時50分58秒

稠密な描写とインスピレーションの飛躍とが同居する、魅力的な作品。とんちんかんな連想でまた顰蹙を買うかもしれないが、僕はスティーヴ・エリクソンの小説を思い浮かべていた。具体的なイメージがエリクソンに似ている、という意味ではない。描写への執拗な意志と、時にその描写を軽々と越えてしまうインスピレーションの飛躍とが、一作品の中に同居している、という意味において、今作はすぐれてエリクソン的である。そう言うなら、この短い小説には二つの相反するものが共存している。語りの熱気と、ものを見つめるさめたまなざし。やさしく透明な言葉と、硬質で尖った語彙。石であると同時に水でもある「含水石」を現前させるために、これ以上ふさわしい文体はないだろう。(でんでん)

参照用リンク: #date20041104-185058


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