第26期予選時の、#2ゾウのパレード(安南みつ豆)への投票です(1票)。
これは「安南みつ豆論」になってしまうが、この作者の原理は「他者の発見」と言ってみたい。他者とはむろん幼児のことである。作者そのひとの息子がその原形となっているであろうことはどちらかと言えば余計な事柄であって、一般に幼児というものが、ふつう我々大人が住んでいるのとはちがった言語世界に住んでいるということが本質的に重要なのである。この作品でいえば「ハルキ」が繰り返し口にする「ゾウタ」その他の言葉によって、まるで魔法の呪文のようにもう一つ別の世界が開かれていくかの観がある。退屈な日常に馴れた私たちの感覚が、それによって新鮮に驚かされる。(海)
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