今日で締め切りと知って焦っています。
何もかも二月が短いせいですね。
続きです。
8 迷イ猫 もここさん
全然おもしろくなかった。一行ごとに改行するのがもう鬱陶しい。スクロールする身にもなってほしい。「僕ハ迷子ニナッタノ?」とか最高に気持ち悪い。ぞわぞわする。
山なし落ちなし意味なし。アラこれ801小説なのかしらん? 「僕」も「キミ」も男? まあでも、だとしてもおもしろくないんですけど。
ただ何か真剣な意志は感じる。作者は書かねばならないと思って書いたんでしょうよ。しかしヒミツの日記帳☆じゃなくて公の場に晒すんなら、作品を他人が読んでいる姿を想像しないとダメだと思うよ。
さんざっぱら叩いたけど、少しぐらはいいよねそれが僕の気持ちなら…(うまいこと言った)
9 いらないものばかり 高階あずりさん
「」後の改行時、頭を一マス下げてないのがとても気持ち悪い。「目的は皆同じだろう」と言われても読者には何のこっちゃだと思う。僕はコミケ三日目だろうと思った。何もかもが唐突な印象。
10 信号待ち loiolさん
オノマトペに気を遣ったのかな。「じに、じに」は良い。「ぎにいい」はとても良い。「ぐいぐい」は普通。「きゃふひゃふ」はぶっ飛びすぎてて感覚が入ってこなかった。こういう言葉はその質を揃えてやらないと、どっか一つでも浮いたり沈んだりしているとひどく目立ってしまうんだな、と思った。実験的な印象を持った。書き手として示唆に富む作品ですね。
11 ほっぺた 鼻さん
内容はとーってもおもしろかったんだけど、文章を幼稚にしようとする試みが失敗しているように思う。なんだか赤ちゃん言葉でキャバ嬢に媚びてるおっさんのような印象が横から横から入ってきて魅せられない。でも着想はほんとうに良くて魅せられる。こういう想像力はうらやましい。
12 中空出生し命 彼岸堂さん
この作品の場合『穴』はただの穴ではなく他者に置換できる質のものなので、コイツがやっているのはもはやオナニーではなくてセックスだと言える。
セックスというものはゴムつけてる生産的じゃない場合でも天地創造に匹敵するくらいの行為だと思うんだけど、そういうことを自然に、かつ突拍子もなく書いていてくれて痛快だった。奇をてらおうにもこれくらいぶっ飛んで、かつ説得力を持たせないとな、と思う。
あとアレだ。「光あれぇぇっ」じゃねぇよ。
13 天地創造。 のいさん
小説に主張を盛り込むに際しては論文のような手法では絶対にダメで、読者の理屈ではない部分に時に心地よく流し込み、時に荒々しくねじ込む必要がある。だから小説で何かを伝えるのは賭けなのです。伝わらないかもしれない。それ故に、その主張が作者にとって大切なものであればあるほど、どうしても伝えたい気持ちが先行しがちになり、説明してしまうのです。そうするとこういう作品ができあがる。
まず論文で言えば序章にあたる地の文がうるさい。そして各論にあたるとうちゃんの台詞がうるさい。おかげで主張はよくわかったけど、僕の理屈の部分に投げ込まれた主張は、もともと僕の持論でもない限り共感することは少ない。主張を読者の意識に潜り込ませれば訴える力が出てくる。それが小説の一つの力だと思う。
この作者はうまい比喩を思いついたんだけど(その比喩は僕もいいと思う)、その比喩を伝えるために、比喩とはもともと別の言い方で伝えるためのものなのに、改めて本来の言い方で説明してしまっている。そして字数を使い果たしている。
熱弁をふるってしまったのは目下僕が抱えている問題でもあるからなのです。そういう作品の完成度を上げるためにも、投稿前に複数人で読み合わせができる環境がほしい。
14 π qbcさん
読後感がいい。本当にいい。感想書こうと思って向き合うと、ただそれだけな気もする。いやそれはそれで立派なことなのだけど。
話者は女性と明記してあるけれど女性じゃないと思う。qbcさんは女性らしく書くのがうまいとたしか昔長月さんが言っていたと思うんですが(違ったらごめんなさい)、そのときは僕も納得してたんだけど、本作は女性だと思えない。とても感覚的な理由なので多分先入観とか入っていると思うし批判できることでもないのだけど、他に書くことがないので一応書いておきます。
15 窓と櫛 高橋唯さん
これは最高ですね。本当に完成度が高い。
読後にタイトルが効いてくる作用もすばらしい。
感想に14歳セックスけしからんとかなんとか書いてありましたけど、僕はオナニーだと思う。奈央が14歳とは明記してないですが、それでも実家で夜に男連れ込んで、というのは難しいだろうし、奈央の声しか出てきてませんので、その方が自然だと思うのです。
「奈央の横顔を綺麗だと感じ」て女性として意識するようになり、続いて奈央の「女性」を目の当たりにするという段階が僕は美しいと思います。セックスまで行ってしまったら、焦点が奈央からもっと広がってしまうと思うので。
何にしろ、思春期というか、近いテーマ扱おうとしている書き手としてお手本のような作品です。ただ僕はこれほど綺麗に書いてしまうことには気恥ずかしさが先行してしまうので、いつもギャグに持って行こうとするんですが。まあ、書こうにもこんなに綺麗には書けませんけどね。
16 ミチ おひるねXさん
おもしろくなかったんだああああ。「南春朗」とか寒くて鳥肌立ったんだああああ。
「裏切られた非は相手にあったのだ」って日本語がなんか気持ち悪いんですがめんどいし時間もないので検証しません。来期からは気になった表現はちゃんと検証しようと思います。
推敲の痕跡は見えるんだけど、もう少し詰めたらどうかな、と思う。
17 姥捨 えぬじぃさん
壮大な訓話という印象でおもしろかった。
「けして」は「けっして」だと思う。文字数に変化もないから「決して」がいいかも。打ち落とした側の台詞を二重鉤括弧にしてるテクニックが、僕はよそでは見たことがなくてうまいなぁと思ったんですがこれオリジナルでしょうか。取り入れさせてもらってもいいでしょうか。
18 相手の目を見る 初瀬真さん
なんだか今期は性を取り上げた作品が多い気がします。掲示板の影響?
丁寧な描写に好感が持てるんだけど、僕が読み慣れてないからなのか、あーエロい話だった、くらいしか印象に残ってくれないのでした。
19 象をキャンデーで打て 宇加谷 研一郎さん
そうして今期の性描写がある作品を読み進めてきてこういうプレイに落ちてくるとは。
熱した蝋と空襲の対比が突拍子もないのだけど受け入れられないこともなくて、その絶妙さがとてもおもしろかったです。
後半はあんまりよくわからなかった。
20 カプチーノと僕らの世界 クマの子さん
こういうタイトルを歓迎する人には大層喜ばれそうな作品だと思います。バーバラ・ヘンドリックスとかほんとにこのタイトルに相応しい。僕はジミ・ヘンドリクスが似合うような作品が好きだからアレなんですが、雰囲気作りは完璧だと思いました。
「はたち」に違和感があったんだけどこの文章で片仮名にするのは軽くなるし、漢字で「二十歳」とすると固くなりすぎるかなぁ。原文のまま平仮名がここではベターかもしれない。
21 小さな塊 euRekaさん
生命の始まりをそのパーソナリティの始まりととらえることには僕は若干の異論があるようなないようななんですが、なんだろうねコレ、「短編」ってたまにうんこが流行るよね。それはどうなんだろうかと僕は思うよ。うんこは好きだけど。
感想ありがとうございます。
〉16 ミチ おひるねXさん
〉 おもしろくなかったんだああああ。「南春朗」とか寒くて鳥肌立ったんだああああ。
うーん。そうですかぁ、とくに考えなかったのですが、いやな感じを受けたのですね。ありがとうございます。
(知人や有名人の名前を使いたくなかったので、そればかり考えていました。名前を考えるときどうなさっていますか?)
〉 「裏切られた非は相手にあったのだ」って日本語がなんか気持ち悪いんですがめんどいし時間もないので検証しません。来期からは気になった表現はちゃんと検証しようと思います。
感想をいただけるだけで、とてもありがたいです。検証もよろしくお願いします。
〉 推敲の痕跡は見えるんだけど、もう少し詰めたらどうかな、と思う。
〉
無駄な文章があったという、ご感想なのですね。
ありがとうごさいます。どうぞよろしく!!
すいません、昨日は時間的にわりと極限状態だったので。
では検証したいと思います。
「裏切られた非は相手にあったのだ」
という文章に焦点を当てたわけですが、ちょっと訂正。
「それどころか、裏切られた非は相手にあったのだ。」で考えます。
まず根本的な気持ち悪さの原因ですが、直前の「健康で何も不安はない」ということと件の一文には関連が見いだせず、「それどころか」で繋ぐ意味もわからないということです。
それから「裏切る」という行為は一般に悪いことですよね。だから当然、わざわざ断じることもなく非は相手にあるはずです。だからそもそもこの一文は、僕は必要ないと思います。
ただその後に「それが、悔しい、憎い」云々とありますから、「それ」の内容を明記しておく必要があります。
人様の作品に手を加えるのは僕は少し気が引けるのですが、僕に改変が許されるならば、
南春朗は裏切られた。裏切られて傷ついて死ぬんじゃないか。本当に自殺する恐怖に毎日胃が痛くなる。春朗は死にたいわけなどない。春朗は、自分は健康で何も不安はない、そう、考えている。それどころか、裏切られた非は相手にあったのだ。
という段落を、
南春朗は裏切られた。この傷のせいで死ぬんじゃないかとすら思う。春朗は死にたくなどない。健康だし死ぬ理由など何もない。それなのに裏切られた。理不尽に裏切られて、そのせいでこれほど傷つき、死ぬことすら考えている。
とでもしておきます。
あんまりガッツリ考えなかったのですが、ニュアンスを残して前後と繋ぐことを優先したら、こんなもんじゃないかなと思います。
しかしながら、裏切られて頭がごっちゃになってるサマを表現しようとしたのならば、原文の方がいい感じにカオスってて雰囲気出ていると思います。
以下その他の点についてレス。
〉 感想ありがとうございます。
〉
〉〉16 ミチ おひるねXさん
〉〉 おもしろくなかったんだああああ。「南春朗」とか寒くて鳥肌立ったんだああああ。
〉
〉 うーん。そうですかぁ、とくに考えなかったのですが、いやな感じを受けたのですね。ありがとうございます。
〉(知人や有名人の名前を使いたくなかったので、そればかり考えていました。名前を考えるときどうなさっていますか?)
まあどう読んでも楽しい内容ではないですから、いやな感じを読者が受けることは狙い通りだったのでは? と思います。
名前は地味に難しいですよねぇ。今までは適当に考えながらも過去作とかぶらないように、というところだけ意識していました。しかし最近、過去作と投稿作を緩やかに繋げる作業に手をつけ始めたので、過去作の登場人物を使い回しています。楽です。
それから、「ミチ」のような三人称作品であれば、「彼」「男」「チビ」とかで十分だと思います。「ミチ」は思い切って一人称の作品にしてしまった方がすっきりしたかもしれませんね。
〉〉 推敲の痕跡は見えるんだけど、もう少し詰めたらどうかな、と思う。
〉〉
〉
〉 無駄な文章があったという、ご感想なのですね。
無駄というのもそうですけど、前後の整合性を考えたり、別の視点から読み直してみたり、一度言えばいいことを何度も言っていないかチェックしたり、そういう作業を徹底的にやったらどうか、と思います。
それから「ミチ」のようにたくさん改行して空白を増やすと、一目で見たときのまとまりがなくなって読む際も推敲する際もたくさんスクロールせざるを得ず、読者にも作者にも散漫な印象を残してしまいますのであまりおすすめしません。
一行以上改行して空白を作るのは、場面や心理の転換時くらいにとどめておいた方がいいと思います。
今日はこんなところで。またなんかありましたらどうぞ。
〉17 姥捨 えぬじぃさん
〉 壮大な訓話という印象でおもしろかった。
〉 「けして」は「けっして」だと思う。文字数に変化もないから「決して」がいいかも。打ち落とした側の台詞を二重鉤括弧にしてるテクニックが、僕はよそでは見たことがなくてうまいなぁと思ったんですがこれオリジナルでしょうか。取り入れさせてもらってもいいでしょうか。
感想ありがとうございます。楽しんでいただけたようでこちらも嬉しいです。
二重鉤括弧を使ったのは、「異質なものたちの会話」を表現するためのもので、そういう用法はSFとかファンタジーだとちょくちょく見かけるものです。
オリジナルでなくて申し訳ありません、
SFやファンタジーは映画や漫画だととても好きなはずなのに、なかなか小説では読まないのでとても目新しく映りました。あ、じゃあ全然パクっても大丈夫ということですね。笑
漫画ならばここは人物たちの影や、目などだけ映して会話させると思うんですよ。そういうことって映像だと常套手段ですが小説だと不可能だと思っていました。ああその手があったかと目から鱗でした。