小説に好き嫌いはありますが、小説の良い悪いの判断を私はできません。多分、言葉や切り口が斬新であったり、文法を効果的に使っている小説が良いとされる小説だと思ってはいます。仮にここに良い小説があったとしても好きでなかったら票は入れません。小説っぽいってどんなですかと考えています。逆に言えば小説っぽくなくてもいいのではないか。
一日目。読む気力が湧いてこないので、最初はつまみ食いのように読みます。まずは形から見ていって、徐々に感想を埋めていきます。
二日目。今回は全てを読む気力がまだ持てない。とりあえず読んだが感想を書くまでには至っていない。
三日目。少し気力がみなぎった。
今日は四日目か、感想を書く気力が戻ってきた。感想を書く以上、予選票では毎回必ず三作品は選出しようとしている。
日ごとの感想を書いているので、日により感想に矛盾が生ずることもある。
「妖精の初恋は人間!?〜出会い〜」
無駄な行間が多い。妖精ではなく、人間だったとしても特に話しの展開に変化のない書き方。妖精だからあり得るとか、妖精故の作用が全然書かれていない。
「出会い」とあるから今後続いていく話しなのだろうか。一話目ならもっとインパクトがあった方がいい。
「私の叔父さん」
保留。最初の一行から次に進めない。
「叔父」は父母の弟にあたる。身内にいるどうしようもない人種って叔父さんに限られる。主人公に見えるもやもやとした関係性は、実は、たぶん、そうなんだろうと主人公は肌で感じている。この地に足のつかない感じがたまらない。本当はもっと色々感じるものがあったが、言葉にできないでいる。味わい深い。◎◎
「彼と私」
日にちごとの書き方は視覚から面白そうだと誘っているが、そうでもなかった。ただ、文字並びのデザインはいい。
「運命」
ちょっと酔っているんじゃないかな。
小説を書こうと意気込んで、誰かの使い古されたフレーズをあたかも自分が生み出したかのような悦に入る。分かっているけれど言いたいことって、読む側からするとうんざりする場合が多い。でも、こういった無駄を経験しないと次の小説に繋がらない。続けて投稿することでもう少し自分の立ち位置が見えてくる。
「世界は無数の星になる」
保留。どう評価しようか考え中だからまた保留。
大きなくぼみができて、それに引っ張られるように出会う。屋上という場所がひとつの特異点となった。こんな解釈で合っているのか。
「第一夜」
文字並びのデザインはいい。ただ、何を表現しているのだろうと考えてしまった。ある想いがあるのは想像できるが、この映画、全然面白そうじゃない。
私とは夢を見ている主人公ではない。私、あるいは僕。私、あるいは私。私、あるいは彼。僕、あるいは彼女。私あるいはあなた。生温かい(暖かいではないので、ただ単に物の暖かさ、冷たさを表していると考えている)夢を見ているのは読者自身。
「紫陽花」
傘を毎日買うことにすごく不自然さを感じてしまう。
ある設定を立て、ストーリー展開しているのだろうが、前作もそうであったが、不自然を拭えないでいる。しっくりこない。
「仮定化室」
何かの手がかりを残そうとしているが、昇華されていないように思う。「運命」と似た印象。
「鳥の詩」
保留。前作も病気や死の話しだ。新鮮味に欠ける。どこかで見聞きしたようなストーリーを焼き直した印象が強い。
「7番ゲート」
保留。何日かかけたが、やはり入ってはこない。もう少し待つ。やはりどうしても入ってこない。何なのだろう。
「深海魚」
死ぬことを前提とした小説って暗くなるのでいやだ。負の方向に走りたがるのはいやだ。前を向いた小説のほうが断然いい。
「告白」
「運命」と似た印象。ただ、陰に入らず、ありがとうとか幸せで締めくくっているのはいいと思う。ただ、意味は見出だせない。
「空中浮遊」
保留。面白そう。読んで面白かった。何が面白いのだろう。
芸術家がたむろするなんてのはありきたりだし、部屋にのこのこ付いて行くのだって。それでも面白いのは窓の外に視線が向けられたところから。最初、黒っぽい波は欲情の象徴だと考えたが、思い描いた場所とは違う〜中途半端な高さのビルのベッドの件から不安や恐怖を表しているのではないかと考え直した。自分の仕事を恥ずかしく思い、嫉妬する、とは、彼ら芸術家に同化したいとの想いと相反する不安や恐怖を生み出すのではないのか。それを隠すため体に興味があるように相手に見せようとする。それによって自分からではなく、彼から先に手を出したとの言い訳にもできる。免罪符にすがって、違う世界へ足を踏み入れようとして、それでもやはり、今の現実(輸入缶詰会社での事務仕事)も完全には断ち切れないで生きている様。もっと端的に言ってしまえば、一夜限りの関係。さぁ、仕事をしよう。◎◎◎
「銀座・仁坐・肥坐」
ずっと隠していましたが、これ、小説ですか。というのが本音です。
「正男くんのボタン」
却下。
「せめて無害な細胞に結ばれて」
「病院での死」「花粉症発症」「視力矯正」病気や病院での話しばかりなのは、それに関わっている者なのか、一部に闇を抱えていてその不安が病気や病院というキーワードで小説化されているものなのか。
「紙食い虫」
見知ったフレーズを使うとそれ以上のものを期待してしまう。期待にそぐわなければ失望感はハンパない。楽しそうな小説を書こうとしているのでそこは好感が持てるが、前作ほどの力はなかった。
「扉」
私には評価できそうにない。といつも思っています。この作者の感想を読むと技巧的にいいなんてことが書かれています。でも、私には技巧的なことが分からないので、こういう小説が、先に書いた良い悪いの小説なんだなと感じながら読んでいます。実際そうなのでしょうか。
「両極端な人々」
男女間の話しから、ちょっとずつ軌道修正、方向転換されていると感じる。それでもやはり男女間の話しである。
「〜来たらわかるやろ!!」
いくらか肩の荷が下りた印象であると見返したら、他作品でもこんな言葉使いはあった。
「人の形をしたもの」
人形と言えばいいのに。
「鍵垢慕情」
保留。鍵垢について知識不足で導き出せる感想がない。
「あれぐろ・こん・ぶりお」
保留。フルトヴェングラーを知らないから、この小説の半分も理解できないでいる。急いで調べて知ったフリをしても、たぶん何の意味もないのであろう。それでも文体には情緒を感じる。◎