1 葬列 藤田揺転 826
わりと平凡なお話だという印象で
ございました。
言葉の力はすごいなと思ったのですが、
この、「葬列」って語感はかっこいい!
「葬列」って読んだときに「壮烈」って
言葉も同時にイメージしますかねどうですかね、
こういうことをイメージするかどうかで、
文章を読むときのリテラシーってのの、
上下が順位づけられていくものだと
思うのですがどうでしょうか。
「死んだように生きていく」ってことの
メタファーのように思いました。でも、
「死んだように生きていく」って見解は、
少なくとも私にとっては珍しいものではなく、
そしてそれを物語として提出したにしても、
あまり斬新な感じがしなかった。
もちろん、「死んだように生きていく」て
こととはぜんぜん関係ない読み方もできる
のかもしれず、単に私のひとつの読み方
ではあるのですが。
> 葬列はにわかに活気付いた。押し合いへし合い、私も墓穴に入るのに夢中になった。
という部分は、虚しさと楽しげさが入り
混じっていて、面白かった。
ただ、こうして小説を書いている人の
集まるネットコミュニティにしばらく居て
思うのが、ネットで小説を書きたいと
考える人たちの多くが、現実に不満を
抱えていて、その反動で書いているの
ではないかということです。
そういった反動で書くのはぜんぜん悪く
ないのだけれども、そういうモチベーション
で書かれるのならば、作品の傾向は
似てきちゃうんじゃないのかな、と思う。