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短編では、作者の中のある一部の自分をのそりと取り出して、それに幻影を見せるようなつくりの作品が結構多い。そして火に関する話も多い。なので、これらを使って話を作るのは難しいなあと思う。作者と作品の距離感がこういう場合私には重要に見える。この作品もなかなか面白かったけど、「仄あかり」の方がいろいろと絶妙だったかなと思う。この作品では、ちょっと作者と作品の距離が近いかなという気がしました。
また、短編では、やはり作者の一部分の分身に、現実的な現象を見せて心象を語らせる作品も多い。現実的か幻想的かは作者の好みもあると思うけど、現実的なラインでいくタイプで好きだったのは市川さんで「マルコビッチの穴」のように、市川さんの書く女の子(私は19か20くらいと読んだ)の目から景色を見るような面白い錯覚を読んでて感じた。そういうところが好きでした。
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仮に狙ったとしても日本語のミスが目立つので、この作品にそういう躓きはいらないと思いました。前期の(http://tanpen.jp/66/5.html)と語りの言葉の選び方が似ているのだけど、似ている分落差というかアラが目立ちました。
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よわったな、結局何も起こらない。その上、やっぱり日本語の使い方が怪しい。どこかで間違って覚えた用法を繋ぎ合わせてみせられているような、作者の言葉として受け取ることが出来ない文章だと思いました。
結局嘘を書いているので、嘘だと思わせてはダメだと思います。これは私が役者だった時に演出家だった流山児さんに言われた極めて印象的な言葉。
また次号。
今期はさくさくと感想が進む。
これはと思える作品があるからだと思う。
前期はいまひとつだったからねー。