黒田さんには以前僕の作品に票を頂いたこともありました。お礼の一つも言えませんでしたが密かにありがたく思っていました。こうしてお話できることを嬉しく思います。しかも今回の感想は、言葉足らずなせいでもしかしたら黒田さんにはとても失礼に映ってしまうのではないかと危惧していましたので、暖かいお言葉、ありがたいです。
〉感想は、読んで思うことはともかく、書きたければ書く、書きたくなければ書かない、そういうものだと思います。ただ、書いてもらえると嬉しい。そして、その分量は人それぞれなので、何かに合わせる必要はないと思います。ただ、多いほどに読み応えがある。
そうですね。ただ人様の作品を論じるということはかなりの責任を負わなくてはなりません。その覚悟ができず、書きたいけど書けない、と思っていました。書いてはみましたが、100%自分の神経が行き届いている書き込みという出来でもなく、お見苦しい点が多々あると思います。でも「書いてもらえると嬉しい。」とのご発言、書いた方もとても嬉しいです。
〉これは誤解かもしれませんが、作品や掲示板などを全部読んでいる印象を持ちました。
こちらに投稿を始めたのは39期からですが、実はそのころから掲示板も作品もずっと見てました。多くの議論に参加しなかったことを残念に思います。思うところはあったのですがずっとモジモジしてまして。
〉文章力とは何だろう、先月から今でもわからずにいます。言うほど質の高いところなどあるのだろうか、と。内容、構成、あるいは文体。先月は構成は挙げなかったのですが、偶然の産物で構成がそこそこにできていたのか、などと思っております。
たしかに「文章力」なんて定義の曖昧な言葉を使うべきではありませんでした。この場合は僕が目指したい、手に入れたいと思う力のことで、「描写がうまい」ということだと言ったら近いかもしれません。今作も、最近読ませていただいたのですが過去の作品も、風景や動きを文章に乗せることがとてもうまいな、と感じました。
いくつかの作品には、その作者の方には失礼な言い方になってしまうことをお許しいただきたいのですが、文章に書いてない部分を自分なりに想像して補う作業が必要だったりします。『擬装☆少女 千字一時物語30』にはその作業が不要でした。感想に書いた「すっと入ってきてすっと出て行った文章」という箇所を詳しく説明するとこういうことになります。
それと素直に、僕の好みの文章だったというのもあります。具体的に好きな文章とはどんなものか、というよりは、感覚的なものなのですが。
『擬装☆少女 千字一時物語30』は、何かの問いや強い意志を投げかけたり、巧みな展開で読者の心理を動かそうという類の作品ではなく、風景を描いた作品ではないかと感じます。その描写の妙に感動しました。
「言うほど質の高いところなどあるのだろうか」と黒田さんが仰るのは、そうした描写の力を黒田さんが意図しなくても発揮できる文体としてお持ちだからじゃないかと思います。僕も早くその域まで達したいものです。何か投げかけるにしても巧みな展開を設けるにしても、伝えるテクニックは必要ですから。
感想に続きまたしても長々とすみません。
こうして作品や「文章を書く」ということについてお話させていただくということはとても楽しいことですが、実生活であまり機会がありません。ですのでつい饒舌になってしまうこと、お許し下さい。
あまり質もよくない感想に、黙殺することなくわざわざお返事をいただけたこと、深く感謝いたします。