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185期 感想の感想

※「⇒」の後が私の感想です。

●掲示板

【第185期の感想/岩西 健治さん】

「手続き」筋
 奇しくも前期の「健常」を考えてしまった。作者はそんなこと全く考えていないとは思うが、人間ではないもの、権利が剥奪されたもの、言葉をなくすということは、自らを証明できなくなってしまうということと同意であると私には思えた。猫は弱者の象徴であり、何かすごく闇や、やるせないものを感じてしまった。私には後味の悪い小説である。だからといって、これはひとつの小説の形態であり、否定する気はさらさらない。

⇒「猫は弱者の象徴」という捉え方も確かにできると思います。この作品では、ある制度の(人間社会においての)手続きをするという演出上、人間の優位性を前提にして話が進められているのでそうなってしまうんだと思います。しかし、猫の世界から見たらまた違うように見えるのかもしれませんし、そういう部分も書ければ良かったのかもしれません。


【第185期感想/テックスローさん】

#10 手続き

存在としての猫。猫を普段どのようなものとしてとらえているか。なぜかわいがったりするのか。やっぱり人間に近い部分を取り沙汰してデフォルメした姿がかわいがられるのだろうな。一方で猫嫌いな人から虐待みたいなこともされたりするんだろうけど、それも人間に似てるからこそ起きる悲劇だろう。猫の猫性、って、人間側からしか定義されないので、人間の判断に結局は包括されてしまうのだろうと考えた。
人間に戻り損ねた場合の見た目は、実はあまり重要ではない気がする。人間のまま、猫憑きになったら、たぶん猫として扱うだろうし、猫になった本人は精神的にも猫だから、その振る舞いや所作も猫然としたものだと思う。と考えると、事務的に手続きが進んでいく書き進め方に緊張感は覚えるが、あまり異常や恐怖は感じられなかった。

⇒猫のような哺乳類をかわいく思うのは、やっぱり人間と似ている部分が多いからでしょうね。そう考えると、人間に最も近いとされる猿が一番かわいいということになってしまいますが、あまりにも似すぎていると、逆に引いてしまうということもあるのかもしれません。
「人間に戻り損ねた場合の見た目」については、作品では「人間でも猫でもない何か」ということにしているのですが、これは実際の見た目がどうなるのかというよりも、存在として不安定になるという、形では言い表せないことを言いたいがためにそういう表現になってしまいました。なので、異常や恐怖を想像させるという意図は、自分としてもなかったと思います。


●予選

2018年2月27日 6時15分17秒

猫と人間の違いってなんなんだろうね、ってことをつらつら考える。
猫と国民という言葉の柔らかさ、堅さのコントラスト。
途切れない文章がもたらす圧迫感。
大事なことっぽいのにそれを「手続き」の一言で済ませてしまうシステムの不気味さ。

小説としてうまいのは、やっぱりこのモチーフを市役所の説明トークっぽいスタイルで切り取ったところだと思う。
国家システムの不条理って言えばすぐカフカが思い浮かんじゃうんだけど。

⇒この話は、猫のことというより「手続き」の奇妙さみたいなものを書きたいと思って書き始めました。というのも、最近、実際にある手続きをする機会があって、そのときの圧迫感というか奇妙な感覚が気になって、とりあえず書いてみたというわけです。
カフカについては、自分でも書きながら少し意識しましたが、カフカの真似ではない何かが書けていればいいなと思います。


2018年2月23日 20時1分11秒

この作品だけは腑に落ちたというか、もやっとしなかったので

⇒ほぼ説明だけで出来ているような話なので、そう感じるのかもしれませんね。

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