「暗闇の中で自分の感覚をゆっくりと世界へ拡散してく感覚」という感想には、やられたなーと思いました。そんなことまったく考えていなかったので。
「問い」と書いてしまいましたが、読者に突きつける具体的な内容があったわけではないのです。すみません。子供みたいに言うと「死んだ人って何なんだろう?」とか「真っ暗って何なんだろう?」とか、そういう「私が抱いている疑問」の事です。とても素朴な「問い」です。
その「問い」をはっきりとした形にしてみよう、そうしたらそのうち自分が納得できる「答え」を導き出せるかもしれない、というのが、私が「闇夜の果てへの旅」以来やり続けていることです。
というように「答え」があって書かれた話ではないので、読者を侮辱しているような内容になっています。
「答え」がある話の代表格はオチのあるショートショートだと思います。私も面白いショートショートを書こうとしたんですが、どうしても書けないので、開き直って好きなことを書き始めた、というわけです。
千字小説においてはオチのあるショートショートが正道だと思っているので、正道を踏み外した自分の書くものはとてもくだらないなと感じています。なので正道に挑戦した作品にはどうしても意地悪な気持ちになります。
その反面、正道を行くすごい書き手が颯爽と「短編」に現れたりしないかなと思ってもいるのですが。