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○高橋さん、石川さんへの返信

・高橋さん

感想への感想ありがとうございます。

<ところで、女を主人公の妻と仮定した場合はどうでしょうか。>

ということですが、これこそ、私は高橋さんの創作版で読んでみたいです。まあちょっと私も考えてみたんですが、話が広がってきて1000字以上で書きたくなる素材なのでこちらには掲載しません。

ただ、私が別に「女」を出してみたらいいんじゃないか、と思った理由を書かせてもらうと、やはり、話全体のバランスとして、どうも主人公の立場が悪すぎる気がしたんですよ。高橋さんとしては、これでよかったのかもしれないけど、私には、「主人公は今は社会的にみていい立場にいないけど、それは現実のある一面であって、もうひとつ別の現実がひょいと横からやってきたら、この主人公の立場はするっとひっくりかえる」という見方をもっと強めてほしかったです。

というわけで、主人公にとって財布の写真の女(犯したくなるくらいイイ女)とまた別にイイ女を登場させて、主人公に見せ場をつくることで、犯すという選択肢とは別の可能性をだしたほうが、より世界が広がるのでは、と思って登場させたのですが、ここで登場する女が「妻」だったとなると、またさらに話がひろがって・・・・・・。

今期の作品は初読は「ちょっとしんどかった」と感想書きましたが、こうしてやりとりを通じて作品に入り込ませてもらうと、別の面白さが味わえて個人的に楽しめました。私、実はこの作品ちょっと誤読してるんじゃないか、と思ったりもしたんですが、まあ、それは私の読解力の浅さとお考えください。

次期も楽しみにしています。


・石川さん

こちらの感想への丁寧な返信ありがとうございます。個人的にはこういう作者の話を聞きたかったので参考になります、これぞ創作サイトの醍醐味という感じがします。

<本作でいう物語の軸とはそれこそ祖父ちゃんの存在になります。この祖父ちゃんの存在が結末を二つ作ることになる原因でもありました。 >

なるほど、たしかに爺さんがカギだと私も思いました。というか、よくこのじいさんを考えついたな、と思いました。

あと、脳についての理論を(私は初読でダジャレと読んだけど)ユーモア満載で書けるということはよほど頭がこの件について整理されているのと、個人的には都筑道夫のことばがでてきたのに共感しました。

<長編が長い棒の端から端、短編がそれを任意に切った端から端、ショートショートは棒を縦にして小口から覗かせたもの>というのは書き留めておこうと思います。

ついでですが、私も都筑道夫の少年小説から引用して返信をおわります。なんとなく石川さんの今回のユーモア小説にちかく、私の理想的な軽みがあるなあ、と思っているのですが、参考になれば(あるいは反面教師としてでもよいです)。次期作も楽しみにしています。

<「あら、またおばけの話なの」

 首にかけたくさりのさきの、小さなかぎをもてあそびながら、美香はわらいました。おかあさんのかたみの首かざりで、めったにはずしたことはないのです。

「和木(俊一)さんは、どうしてそんなに、おばけの話がすきなのかしら」

「民俗学といってね。伝説なんかを研究する学問があるだろう。それに興味をもっているせいもあるんだけど、だいたい科学が進歩したいまの世の中じゃ、なんでもわけがわかっちまう。それが、つまらないって気もあるんだ。話がむずかしいかな」

「むずかしいわ」

「つまりさ。おばけの話みたいに、りくつのとおらないことが、すこしはあってもいいだろう、というんだよ。そのほうが、世の中はのんびりする」

「ほんとにおばけがでたら、のんびりどころか、ふるえちゃうわ」

「ぼくも、そうかもしれないな」

 俊一はわらいながら、われた氷のあいだから顔をだしている、つめたそうな水をみつめました。>


「都筑道夫少年小説コレクション1」P8より

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