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○のいさん、石川さんへの返信

・のいさん

感想への感想ありがとうございます。

ご自身の作品について「気持ち悪さだけを残したかったからです」ということですが、参考になるかわかりませんが、今期の作品28「布団の黴」はお読みになったでしょうか? あれはおそらく「気持ち悪さだけを残したかった」作品にちがいないと思うのですが、どう読みました?

ちなみに私は「布団の黴」に投票しました。この作品は「気持ち悪さ」を描いているのに読んでいて気持ち悪くならないのです。それなのに主人公の気持ち悪さが伝わってくるのです。この作品の作者は本当に「布団」や「黴」のことが書きたかったんだろうか、と想像がひろがっていきます。「布団」は何かのアナロジーではないだろうか? 本当はもっと直接的に書きたい喪失感があるのに、あえて布団と黴にたとえたんではないだろうか? と、いくらでも深読みできる一方で、単純に布団の黴の話として読んでも、カフカ的な奥行きがある。だって、布団の干し方わからない主人公っておかしくないですか? なにかありそうじゃないですか?

のいさんが今後とも、過去の「状況」(自分ではどうにもできなかった事情)への復讐として「実話」を「気持ち悪さを残すために」かくことについては、私はとくに介入できません。でも、本当にのいさんが書きたかったことをあえて、もっと単純ななにかに象徴させることができれば、より多くの読者を獲得できるのでは? 黒田さんの感想にもあったように、原石となりうる素材だと思うので、ご自身のなかで大事に作品を育てられることだってありではないでしょうか。

生意気な感想ですが・・・・・・。あと、作品を批判することはあってもみんな人格を否定しているわけではないので、もしもそれを混同されるならば、実話を書くのはもうちょっと「耐性」ができてからでもよいのでは。


・石川さん

ブログの解説を読ませてもらいました。正直なところ、本音でいいますと、
石川さんは天才ではないかと思いましたよ、ほんとに。

これは後からつけたした理屈ですか? それとも最初にこのメモがあって、それをもとに方程式をかくように小説にしたんでしょうか? 作品よりもこのブログの解説がすばらしかった。なんか石川さんってニーチェみたいですね。

ニーチェは神(主人)と人間(奴隷)という当時の一般的な構図に不満を抱き、人間ではあっても自分が主人(超人)ということを言った人でもあって、論文じゃつまらないということで物語みたいな哲学書を書いていくわけですが、石川さんのもその路線でしょうか。

つまり、まだ私はちょっと理解できてないところがあるのですが、この話は「人間 対 脳」なんですよね? 脳が人間のなかの思考する「部分」にすぎないのか、それとも脳こそが外部の状況さえシャットアウトすれば独自に数十枚の論文を書くほどに洗練された思考をする、ということなのかという戦いなんですね?

それで石川さんは1000字でこの問題に答えをだせずに2パターンつくった、と。つまり、石川さん自身が「問い」はつくったけれども「答え」がうまく導けなかった、と。

それって哲学者なみですね。哲学は答えを出すことよりも、その過程と問いを後世に残すことがなによりだと思うので、このブログ解説を読んで作品を読むと、「なにやらすごいものを読んだ」という気持ちになりました。

・・・・・・ただ、哲学として面白くても小説として「設計図」どおりに書く書き方がいいのかは個人的には、よくわからないです。のいさんの作品感想の返事にもかいたんですが、今期の「布団の黴」のように、「本当は脳についてこれだけの考察をあらかじめ考えておきながら、結局小説には<ハンバーグとステーキの戦い>をかいた」というほうが、読み手には

(なぜハンバーグとステーキが戦うんだろう・・・・・・)

と独自に解釈するすきまができて楽しめる気がしますが、これこそ素人の感想の勝手なところでもあって、私もわかりません。次期も楽しみにしています。




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