仮掲示板

70期感想12〜22

 これまた勝手な感想ですが、今期は前半と後半の差がすごい気がします。僕の勝手な視点からですが、おもしろいと思える作品の数が全然違いました。一概には言えませんが、投稿の遅かった作品ほど推敲に時間をかけている、よく寝かされたカレーの如きコクがあるという面も少なからずあると思われ、その差かな、と思いました。しかしながら推敲というのは難しいもので、やればやるほどいい、寝かせれば寝かせるほどいいというものでもありません。僕なんかは推敲が少ないと文章のテンポや密度や粗さが気になってしかたなく、推敲しすぎると初稿の勢いがなくなってしまうようで恐ろしく、未だに中途半端な推敲しかできません。


傍ら  壱カヲルさん

 黒田さんも書いておられましたが、最近の湿気と似たものは感じました。作者の方が季節感を狙われたのかどうかはわかりませんが、今期でなければ作品の印象はがらりと違ったように思います。
 このじとっとした感じと無縁ではないと思いますが、好印象です。


キュウリ  森下紅己さん

 改行の後一マス空けないのは古い考えの僕にはもう耐え難い域まできているんですがこれが時代の流れというものならばしゃーないです。
 僕が高校時代バイトしてたスーパーは、田舎だったこともありますが時給650円でした。だから話者が羨ましくてなりません。
 「エロス」って僕はいまいち正面から踏み込む勇気を持てずにいますが、そういう面ではすごくまとまっていると思います。
 そのキュウリがサラダになって出てきたらもうなんていうか。


擬装☆少女 千字一時物語32  黒田皐月さん

 文庫結びって最近の人はわかるんでしょうか。
 リンゴ飴なめる姿は僕もかわいいと思います。
 同い年じゃなくて年上の女の人の方が違和感ないかなぁ、と思いました。


画一世界  Qua Adenauerさん

 これも詩だと思います。そう思えば納得できます。詩は詳しくないから。
 僕はあまり詳しくないんですが、西暦って不合理なんでしょうか。
 「私の考えが、大衆の画一的な意見となる事を願って・・・。」というのがそれまでの話と矛盾するのは、狙ってオチにしようとしているのか天然なのかわかりにくかったです。


瞬き  Kさん

 すごいすごいすごい! ってこれを感想として提出しようというのだから恐れ多いですよね。
 音読するなら早口言葉の要領でばーっと読みたいです。内容だけじゃなくて形式そのものも作品として成り立たせてあると思います。ある意味ダダ的です。


熱海と現実  戦場ガ原蛇足ノ助さん

 すっごい! おもしろい!! というのが僕の心から出た最も素直な感想なのでそう書くしかないんです。すみません。
 熱海の地形もどこか網タイツに通じるところがあるのではないかと思いつき、今から学校に行くまでそのことばっかり考える気がします。
 確かに駅名に関しては知らない方には少し不親切だと思います。


エレキ発電所映画祭  るるるぶ☆どっぐちゃんさん

 タイトルが素敵すぎます。こんなタイトル死ぬまでに一回くらい考えてみたいです。
 「何か思い出せそうな気がする。/ 全て忘れてしまった。」ってところがかっこよすぎると思いました。
 今期出した拙作「島」はこういうふうに書きたかったのでした。雲泥の差だ。


夏の散歩  かおりさん

 自分がこれほどまでに書式にこだわる偏狭な人間だったのかと思い知らされた今期ですが、その感じもここに極まりました。読後感がいいのに好きな作品だとどこか言い切れないのは、僕の方に問題があるのだと強く思います。


八月の光  三浦さん

 あまりよくわかりませんでした。読む度に印象が玉虫色に変わってしまい、なんだかとらえどころがありません。
 夜が来たことが荘厳に描かれますが、僕はなんとなく、マキシムかわいそうだ、と思いました。


イリュミナシヨン  qbcさん

 フランス語の「tion」「sion」の読み方って僕好きなんです。という至極人にはどうでもいい理由でもってタイトルが好きです。
 ひらがなの使い方が秀逸だと思います。「臍の緒」「亡骸」「木乃伊」は漢字なあたりがいいなぁと思います。
 なんだかこんな全感想書いている自分を窘められたような気がして、しゅんとなりました。
 「嫌業」の意味がどうしてもわからなかったんですが、もしよかったら教えて頂きたいです。


犍陀多の背中  bear's Sonさん

 かんだたがどう関係するのか僕にはよくわからなかったのですが、おもしろかったです。
 後から悔やむとしてもどうしても忙しいときってほんとうにどうしようもないんですよね、と思ったのですが、そういう話ではないですよね。



 お粗末様でした。三つ目で悩んでいるのですが、これ以上悩んだところで決まらない気がするので早めに投票しようっと。

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