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Re:いまさらですが第62期の感想です

匿名 さんへ

丁寧な感想ありがとうございます。
そしてお疲れさまです。
ありがたいです。

〉キメラ/qbc
〉感想:
〉 第三段の「理解。〜高い毛布なんか使ったこと無いけど。」がよく理解できなかった。まず、最初の「理解。」。これは「ここでは緩慢な関係が許されていた」ことを理解した、ということなのだろうか。それとも他の何かだろうか。ただ、この一語は必要のないものではない。なぜならば、なくしてしまった場合に主人公が見た事象とそこから得た心象が唐突につながってしまうことになるからである。そして、なぜその「緩慢な関係が許されていた」ことが「高級な毛布を初めて夜具にした時の気分」と例えられたのだろうか。しかも「高い毛布なんか使ったこと無いけど」と言わせたことで体感したことのないことで例えられているのである。子供たちを見て感じているこの心象は、より懐古的なもの、例えば陽だまりなどを例えにする方が良いのではないだろうか。

・「理解」のところは、ぎりぎり読者に分かってもらえると思い、一言で済ませました。正確には、「ここでは緩慢な関係が許されていたことを理解した」となります。語調を優先したためにこうなりました。

・「毛布」に関しては、解題になってしまいますが、経験したことはないが気持ちの良いものという意味で「高い毛布」をだしました。「高い」という部分では人物の生活水準も表現しています。「俺」にとっては「気違い」と「子供たち」の関係も社会的な関係で、「俺」の経験した社会的関係において初めて「緩慢な関係」を見たということになります。もしかしたら社会における理想的な関係というのはこういうことかもしれない、という「俺」の感覚です。
また鬱という病気には睡眠障害があって不眠になるそうですので、「夜具」は「俺」の感覚はマッチするかと思いました。
そしてスヌーピーという漫画がありますが、これに出てくるライナスという人物が「毛布」をもっていないと情緒不安定になってしまうという設定があります。これを連想していいただける方にはサービスになるかと思い、「毛布」です。

〉 予選投票の11月17日の感想はキメラというものを知らないだけなのだろう。同じく予選投票の11月21日の感想で最後は酷く弱々しく、気違いが言ったとすべきではないかとの意見があるが、私はそのままの方が体言止めのような効果を持っていて良いと思う。海坂氏の決勝投票での発言は、氏の言及しているとおり、前期の国旗国家と同様な言葉狩りにも似ていると思う。qbc氏はわかっていてこの言葉を使っていることと思われるが、この言葉は放送禁止用語であることを付記しておく。決勝投票の12月8日2時11分の感想で、「俺は無職だった」の直後に「碌無し返上の為に必死に新聞配達をした」は変ではないかとの意見が挙げられているが、アルバイトは定職ではなく社会的地位としては無職とされるので、これで正しいと思う。

・「気違い」というワードは、考古学を目指している中年の固有名詞です。
「知ってるよおじさん」でも「男」でも良かったのですが、人物の混乱と字数制限の為に「気違い」で通しました。ワードに関する問題は「薔薇百合」のこともあり、もうすこし配慮するべきだと考えております。
またこのあたりは、
>自称「気違い」も正式に考古を学んでいない故の自重だろう。
といったあたりで納得していただけるかとも思っておりました。

・「無職」の部分ですが、推敲前には「新聞配達でアルバイトした」という形になっておりまして、字数の関係でぎりぎりで削除した部分でした。要らぬ混乱を招く部分であったかと私は思っています。


〉感想への感想:
〉 qbc氏の感想でも三浦氏の感想でも簡単な言葉で読んでみたかったとの感想が挙げられているが、この作品は言葉遊びのようなもので、それをやってしまっては何も残らなくなってしまうのではないだろうかと思った。そう言ったものの、私もこの作品は読めてはいない。

これは三浦さんのを読んだら面白かった。
文章の上手な人、語彙のバリエーションの豊富な人は、
読者に合わせてグレードを下げるといったことを選択肢に入れてもいいと思う。
だからといって、もちろん平易な言葉遣いをしろというわけでもないです。


〉アルカイックな彼女との対話/かんもり
〉感想:
〉 思ったことを言わせているだけでは物語にならない。ではあるが、この作品は何もなさすぎるところが物語であると思われる。疲れているが、端正に佇んでいる。その姿から、何を読み取れば良いのだろうか。
〉 「退屈だから皆競争する」の一文から、「吾輩は猫である」の猿股の話を思い出して、普遍性のあることなのだと改めて感じた。
〉感想への感想:
〉 qbc氏の感想で問題の答えが書かれていなくて残念とされているが、この物語に必要なもの、この物語が描きたいものは答えではなくて問答そのものではないだろうか。

これは個人的なことになってしまいますが、問答だけで終わってしまうのはもう嫌なのです。
答えを見つけなければ先へ進めないし、すると私は先へ進めない。
もう立ち往生はしていたくないのです。
今作の「キメラ」でも立ち往生ですが、ほんとうはあんな終わり方にしたくなく、あれは単に作品として恰好をつけただけの終わり方でした。

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