第82期 #17

200Q

 彼も彼女も外に出る時には耳にプラグを着けていた。せめてもの防護服の一つである。
「見たくは無いものばかりだけ〜ど〜」エキセントリック少年ボウイが流れていた。
みざるいわざるきかざる
未猿岩猿着飾る
全てを見通して全てに蓋をして
しんどいよな。わかる。
街がいつから東京みたいになったのか知らないが
怖いよ
簡単な事だよ。一つ一つ、思い出してみる。するとね、ああ、その時の自分や他人の解釈が時代の解釈に流れに流され、仕方ない事だった事に、気づくんだ。傷くんだ。
みんな傷ついてた。
個性は傷だと気付いたら
それはポクモオナチ
 過去の中に未来があった
今があるから過去と未来が繋がれる

「ただの祭さ。すぐに終わる。」

また消防自動車が走ってゆく。

「火事と喧嘩は江戸の華でい〜!」

今はいつなんだ

いつはどこなんだ
「ボクハココニイル〜ヨ〜」

かくれんぼの歌か。誰も探しには来てくれない。

会いに行こう。裸じゃ失礼だから、せめて服を着て。

もういーかーい

まあだだよ

もういーかーい

、、、

もういいかい?

もう、いいかいい
もう!いいかい!
モーイーカイー!!
、、、

ぼーひーかひー、、、うっ、く、


いいよ。みんな待ってたんだよ。あなたの事を。

みんな見失って、カギを無くしてしまってたのよ

そのカギをあなたが持ってた。


また、どこかで、
かくれんぼしよーぜー

おにごっこしよーぜー

今度はGPS使ってググって、マッハでゆくから〜

いいよいいよ、焦らないで。それこそ何にも見えなくなるから。

今、立ってる、そこで、

とりあえず歩けるように。リハビリしてさ。

できることからするよ。 すこしづつ
「あんたはやればできる子やって前からいってるやないの〜」

うるさい(笑)呆れた(はぁ)しゃあねえなあ〜 ははっ

自分の為にやるだけさ

いつか誰とでも笑える日まで。

それは過去現在未来進行形。

種まいては実がなり 実が種になり、
時がこないと実はならないから

ぼんやり と しながらね

再見。



Copyright © 2009 金武宗基 / 編集: 短編