第79期 #13
吉岡はとある会社のセールスマンである。
しかし彼は生来の口下手で、そのうえ会社の扱う商品は家庭向けのものが多かったため、どうしてもセールスの相手も主婦が多く、ますます気後れしてしまい、吉岡の営業成績は悪かった。
そこで、吉岡は同僚で売上トップの神山に相談してみることにした。
「なあ神山、どうやったら君みたいにうまくセールスを進められるのだろうか?」
「ああ、簡単なことさ。まず血液型を聞くんだ」
なるほどそうかとうなづいて、山本はそのアドバイスに従ってセールスをすることにした。
そして1週間後。
「吉岡、俺のアドバイスは役に立ってるかい?」
「ああ、それなんだけど……。女性はやっぱり占いの話題とかが好きかと思って、話を進めようとするんだがなかなか話題が広がらないんだ。
せっかくアドバイスしてもらったけれど、やっぱり元から話のセンスのある奴じゃないと無理みたいだな」
「バカだなあ、聞くのは旦那の血液型のほうだぜ」