第73期 #9

ココロノツナギカタ

今ね、休みだっていうのに朝早く起きちゃったの。
そう、7時13分だよ。もう一度、眠りたいのに眠れなくて目がはっきりとしてきた。
駄目だ、諦めよう。いっそ、起きてしまえ。
あたしは、台所に立つとコーヒーメーカーにコーヒーの粉と水を入れたわ。
ぽこぽこと音を出す。次第に激しくごぼごぼっぅっと壊れるんじゃないかと思うくらいに鳴り出した。
あたしは、ココロのツナギカタを忘れた。
朝の静けさと、その静けさに不釣合いな機械の立てる音の中で、冷静に思ったの。
何も、沸いてこない。どうやって、人を愛していたのか?どうやって、モノに執着していたのか?忘れた。
粉が、水に染み込んで下に、ツーっと落ちる。
料理を作る事も億劫で、インスタント食品ばかりで過ごした。おかげで、肌はカサカサになり、口の端が切れている。恋の終わった後なんて、そんなものなんだよ。
まだ、引きずっている?もう、5ヶ月以上過ぎているのに。
そうじゃなくて、次の恋が・・また、誰かとココロを繋ぐことが出来るのか不安なだけなの。テーブルに、頬をつけて両手を下にさげて、ぶらぶら振る。

誰かと、ココロヲツナギタイ。
なのに、ココロはまだついていけないみたい。

「うーん、ほっとするなぁ」
この、コーヒーの出来上がった香ばしい香り、落ち着くなぁ。
とりあえず、この暖かい飲み物で心を暖めよう。
大きなマグカップに、コラーゲン10000の粉を二杯入れ、コーヒーを注ぐ。
カップから上がってくる湯気で、幸せな気持ちになった。
うん。あたしは、微笑んでいたわ。


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