第73期 #5

空はオールブルー

「俺とお前は繋がっているのか」(…繋がってるんじゃねーの)曖昧な答え、(同じ地球上の生き物としては、だけどな)なんて曖昧な答えなんだ、偉そうにニヤニヤして「なんでお前は飛べるんだ?」(なんでお前はそうもおもしろくもない質問するんだ?お前みたく鎖に繋がれてないからさ)またニヤニヤ、なんてはらがたつ野郎だ、俺が犬みたいじゃないか(お前が大事にしてる鎖はお前の自由を奪うものだぜ?)何言ってやがるんだこの野郎、なんで俺が鎖を大事にしてんだよ「なんの鎖だ」そうだ俺は鎖なんて知らねーぞ (他人との関係、ってゆう面倒臭い鎖さ、お前はその鎖が切れちまわないように大事にしてんだ、本当は全て無くなればいいと願ってるくせに失うのが怖いんだ)ニヤニヤしていて憎たらしい、「お前は怖くないのか」なんて質問をしているんだか。
(怖い?そんなこと思ったこともない)ふんっと俺を小ばかにでもするようにいいやがる(他人がいなくたってお前自身が無くなるわけじゃない)「だが!」(なんだ)「失うのは怖いだろ、恐ろしいだろ、それに他人にどうおもわれているのか…」(そんなこと考えているからお前はいつまでも自由になれないんだ、おれをみてみろ!これが自由だ!)「だが…」なんで俺はこんな奴に喋ってんだ「お前は鳥だろうが」(そうだ鳥さ、なにが悪い空も飛べない人間のくせに)「俺はお前にゃなれない、面倒臭い人間のままさ。」俺はニヤリと鳥に言ってそのまま、回れ右をして鳥のいる窓に背を向け課長に書類の間違いを謝りに行った、これ位で現実逃避なんて俺もまだまだだな、仕方ないか今週これでもう三度目だもんな、書類の間違い…

(なんて馬鹿なんだ人間ってのは、本当は面倒臭いのが好きなのか?おれには解らんね、それよりもおれを鳥と呼んだのが腹立つな、この黒くカッコイイおれを)


空はオールブルー。今だに人間は鎖に繋がれているもよう。



Copyright © 2008 のい / 編集: 短編