第48期 #17

シンポジウム

司会「それではここにいる特許の専門家がみなさんの質問に答えます。」
宗教家「神様が世界を作ったとき、特許などは取らなかった。それなのに人間は蚤のような発明で特許を取る。これはどういうことなんですか?」
専門家「それは・・・あれですよ、人間は神様ほど偉大じゃないからですよ。人間に神様の真似はできませんよ。」
宗教家「まるでわかっていませんね。私は何も神様の真似をしなさいといっているのではないのです。特許から入る一部のお金を社会のために使ったらどうかといっているのです。」

天上

天人1「人間もああいっているんだ。我々にも人間のような生き物を作らせてもいいんじゃないか?」
神「だめです。」
天人2「それは納得ができない。なぜお前だけが神と呼ばれ、崇拝されるのか!我々にも神になる権利はある!」
神「神は一人だから神なのだ。もし、お前が神になり、その崇拝者が地球の人間に会ったらどうなるのだ。わしの権威が落ちるでないか。」
天人2「独占禁止だ!お前が先に崇拝者を作っただけじゃないか!特許はもう時効だ!」

悪魔1(欠伸をしながら)「まだあんなことをいっていますね。話がとんと進みませんよ。」
悪魔2「仕方ないさ。神は嫉妬深いからな。」



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