第47期 #6
「何かを信じることができればいいのに」 膝を抱えて座りこんでいる少女が、ほんの少しだけ唇を尖らせつつそんなことを言った。すると、少女の傍らに立っていた青年がひとつ頷く。 そして青年は少女にこんなことを言った。 「要するに、君は自分が何も信じられないであろうということを信じているのだね」 と。