第45期 #18

小学生

 ともだちの田波くんには、とくしゅなのう力があります。
 それは、タネをかむとタネからニョキニョキと「め」を生やせるっていうすごいものです。

 カッコイイです。

 ゲームのまほうつかいみたいだなあ、というと、田波くんは、そんなことないよっていいました。
 でも、すごいです。

 でも、田波くんは本とうにイヤみたいです。
 どうしてかというと、ヤサイやフルーツを食べているとき、とてもふべんだからです。

 モモやスイカを食べるとき、すこしでもタネに歯が当たるとニョキニョキと「め」が生えてきちゃうのです。
 それは、本とうにイヤですよね。
 しかもはやいスピードで、けっこう長くのびるので、とてもおどろくみたいです。
 口のおくに入って、えずくこともあるみたいです。

 おかげで田波くんは、タネのあるヤサイやフルーツを食べるのが、とてもニガテです。
 とても気をつけるひつようがあります。

 1ばんイヤなのは、トマトやキューリだといっていました。
 サラダとかサンドイッチとか、いろんなものに入ってるので、ふいをうたれやすいみたいです。
 キューリは、わかりにくいけど「わ」のまん中のほうがタネです。

 とにかく田波くんは、いろいろなものが食べにくいのです。
 かわいそうです。

 それで、ぼくは田波くんにほんとなのってきくと、ぜんぶうそだよっていわれました。
 田波くんはうそつきだなあ、とおもいました。



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