第44期 #6

ソレデハ、ミナサン…

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。はっ!
 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。あっ!
 ダダダ、ダン。ダ、ダダン。ダダダダダン。わっ!
 ダ…ダ、ダン。ダダダ、ダンダ。ダダダダダダダダ……ダン、ボン。ぎゃ〜!!

 ゼッケン402番は煙をふきだし、とうとう腕が動かなくなった。
 スタッフたちが駆け寄り、あれこれ方法を試みたが、やがて、全員が肩をすくめ、首をふった。
 3人の審判も競技の続行は不可能と判断し、判定を下した。
 一呼吸空けて、司会の男が大きな声で宣言する。
「優勝はゼッケン210番、W大学のスキュータ3世に決定ですー!」
 フレキシブル・アームを持つロボット――スキュータ3世は、三三七拍子をしたまま、きれいにお辞儀をしてみせた。
 リズム、音量、力加減、どのロボットよりも完璧にできていた。
 司会者が競技場にあがり、スキュータ3世の横に立った。
「会場の皆さん、では、優勝したスキュータ3世の音頭で三三七拍子をしたいと思いますー! 用意はいいかな? スキュータ3世くん」
 司会者のフリに、スキュータ3世は手の動きをリセットし、頷いた。
「ソレデハ、ミナサン、オテヲ、ハイシャク…」

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。
 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。

「モウ、イッチョ…」

 ダダ、ダン。ダダ、ダン。ダダダダダン。

 こうして、会場の全員がスキュータ3世にあわせて手拍子をし、第512回ロボコンは、異様なテンションのうちに、幕を閉じた。


Copyright © 2006 八海宵一 / 編集: 短編