第39期 #12
昼休みの後の授業 太陽の日差しが窓から差込み 教室の半分を照らしている。マイクを持って 自分の著書を見ながら喋っている教授。決して学生の方を見ない。たまに後ろの黒板にチョークを走らせているとき 横のドアから1人2人と教室から出て行く。 出席の確認が終われば 後はいなくても出席になる。出て行かなくても 昼寝していたり メールしていたり 化粧していたり授業を聞いているのは 前の方に座っている人だけ 窓側の一番後ろに座っている世理子は 黒板に書かれたことを書いてはいる(このノートはテスト前友達によって何枚もコピーされる)が 話は聞かず 窓の外をぼんやり見て考え事をしている。
私は何のために大学に入ったんだろう。コレが私の勉強したかったことなんだろうか。考えれば考えるほど ここにいる意味が無いような気がする。友達は「適当にやって卒業できればいいじゃない」て言うけど それでいいのかなあ。私のやりたかったことてなに?答えが出ない・・・
お母さんに「学校辞めていい?」て聞いたら 「何言ってるのあんなに頑張って勉強して入ったのに お母さんもアンタの為に働きに行ってるのよ」てすごい顔して怒られた。確かに高校のときは この大学に入りたかったけど 思い描いていたのとは違うような気がする。何とか単位取って卒業して後どうするんだろう?
お母さんは「ちゃんと就職してもらわないと困るわ」て言うけど就職出来るかどうか分からないし それが私の望んでいた仕事かどうかも分からない。仕事だったらバイトでも言いような気がするし・・・私はいったい何がしたいんだろう。
「それでは これで終わります。」そう言って教授は教室から出て行った。世理子の考え事もここで終わり ノートとペンをかばんに仕舞いパン屋のバイトに向かった。
完