第30期 #11

明日逢った少女

「そっちはダメ!」
なんだいきなり、ひょっとして俺か?
「ユ−君、ダメだって言ってるでしょ」
やっぱ俺か。でもこの娘誰?
「ねえユ−君、私のど渇いちゃった。ファミレスでなんか飲もうよ」
やべぇ、知らない子が俺の名前を呼んでるよ?ここは取りあえず・・・
「えっと、飲み物なら彼処に自販機があるよ?」
「え〜、ユ−君女の子と立ち話するつもり?早くいこうよ」
いらっしゃいませ〜   うわ〜展開早っ!
「私はデラックスバナナパフェね、ユ−君も一緒で良い?」
ダメに決まってるだろ。
「俺は紅茶」
「ねえ、ところで何で俺の名前知ってるの?会ったことがあるかな?」
「ううん、まだ無いよ、会うのは六年後だもの」
ハイ?この子ひょっとして危ない系?
「じゃあ、俺はコレで」
「まだダメだよ、後五分はここにいて」
「なんで後五分なんだよ」
「説明すると長くなるけどユ−君明日入試でしょ」
げっ、なんでそんなこと知ってんだ?
「後五分でユ−君の分岐点が終わるんだよ。それで未来が好転するの」
「つまり、ここにいれば明日T大学に合格するの?」
「ううん、落っこちるんだよ」
なんですと〜、落ちるんかい!
「明日の試験ユ−君の点数は4点足りないんだ。でも道を行けば自販機のところで問題を出し合っている女の子の話を聞くんだよ。そのおかげで合格するんだよ」
なんか嘘くせえけどホントなら急いでいかなくちゃ
「でもそうするとユ−君はS大学に行かなくなっちゃう。すると未来が変わるんだよ」
そりゃそうだ、T大に受かってるのにS大にいく訳ね〜じゃん
「それじゃ、S大で会うはずの人に会えなくなって将来ひどい目に遭うんだよ。ってもういいかな?これでユ−君の未来は安定したよ!しかもここは特異点だから少々の揺れには修正が掛かるんだよ。よかったね!」
「じゃあ、六年後に! パフェゴチソウサマ」
頭イタイ、今のなんだったんだ? 
まあ何はともあれ明日の試験ガンバロ・・・
                                   Fin



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