第28期 #7
見下ろすと、黒く汚れた砂地へごろんと横たわる男の首には親指くらいの太さがあるロープがきっちりと巻き付いている。 瞳孔や汚物の確認をするまでもなく、既に終わっているのが分かるのは、その男が俺だったからだ。 見上げた空は見慣れぬ垂れた変な雲がいっぱいで昼なのか夜なのか判然としない。 なぎ倒されている木々に囲まれた境内を背にし長い石段を降りと、町は一面ただれた黒炭の廃墟と化していた。 唯一興味があるのは、魂同士で触れ合える環境になったという事に尽きる。