第272期 #4
「……っ!?」
制服を纏った一人の女子高生は、突然の出来事に頭が困惑していた。
いきなり呼ばれたかと思えば、そこに居たのはまさかのイケメン。
しかも静かな教室で、たった二人きりの瞬間。
彼は私の頭に付いていた埃を、すっと取った。
「まったく、女の子らしくないな」
飽きれたような表情で、それを口に出す彼。
女子高生は少しムッとするも、彼は気にせず言葉を続けた。
「……ねえ」
彼の目がキラリと輝く。
「な、なに?」
駄目だ……このままだと、ペースに流されちゃう……。
「君のこと、唇で確かめたい……」
え? ちょっと待って?
「唇……?」
彼は真剣な顔をしてコクっと頷いた。
まあ、イケメンとなら……。
「別にいいけど……」