第202期 #6

おかしな目的

おかしな目的

1人のようなものだった
親に見捨てられ、
友達や恋人にも裏切られ

気がつくと僕は
死に場所を探して
さまよっていた

死に場所探しの旅の途中
気持ちの悪い怪物に出会ったんだ

気持ちの悪い怪物は
僕を見て、聞いてきた
おまえを殺していいか?って
僕は殺していいよって答えたんだけど
怪物は不服そうに

おまえはつまんないから殺さないよって
どこかへ消えた

僕はその後、1人で死に場所を
目指して歩いていた

歩けば歩くほど
人が死んでいることに気づいて
悲しくなった

みんな怪物に殺されていて
みんな僕より面白い奴だったと
思うと
悲しくなった

生きてるやつはいないのか
僕より、つまんないやつは

夢中になって探したけれど
僕以外誰もいなかった

僕がつまんないと思っていた
タレントもクラスメイトも教師も
みんな殺されてるいるのを
見つけた


そして段々
僕は世界で一番
つまんない奴のように思えてきて
とても惨めな気持ちになったんだ

僕は世界で一番つまんない奴なのか?

あんな気持ちの悪い
怪物にバカにされるぐらいの

納得できない
僕は面白いはず

怪物はどこにいるんだ?
お前を笑わせてやる

シーンと静まりかえった
死体だらけのこの世界に
僕の足音だけが
聞こえる

ああ人間だけじゃなかった

猫も殺されてる
僕は猫以下か

犬も殺されてる
僕は犬以下か

豚も殺されてる
僕は豚以下か

死体をみればみるほど悲しくなって
なんで僕は、
怪物に
こんなにはまらなかったんだろうと
疑問に思う

それとも逆に
おまえには可能性があるから
生かしているんだよってことなのか

考えれば考えるほど
怪物に会いたくなった

僕はお前を笑わせてやる



いま
僕は怪物に殺されるためだけに
生きている

僕以外殺されたこの世界で
殺されることを希望にしてる


そんなおかしな目的を
怪物に話したら

きっと笑う気がして



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