第19期 #4

人らの殺人入門!

これを読んでいるということは、あなたもしかして殺人に興味ありますね?
あっはっは。いや、私は元政治家ですから。すみません。ついつい馬鹿口調になってしまいました。

あなたにだけ教えますがね、殺人というものは良くないものですよ。第一、道徳に反しますからね。え、当たり前? 気にしない? そうですか。良いでしょう。あなたもかなりの悪人ですね。道徳に関心がないのかな。

まあ、そうこなくっちゃここに来た意味もないですし、じゃあ始めるとしますか。

殺人するに当たってまず初心者が考えるのは捕まるかという疑問でしょう。
ああ、その前に動機がありますね。狂気とか復習とか。まあこの際、動機は何でもいいことにしましょう。肝心なのは行動ですからね。

捕まるかという疑問に正確に答えるのは難しいです。捕まっていない犯罪者というのはどの資料にも載らないわけですから新聞やテレビで見るのは捕まった犯罪者、つまりごく一部の犯罪者に過ぎないわけです。

分かりますか?ですから捕まった殺人者達を真似するのではなく、捕まっていない殺人者の真似をする。パーフェクトクライムというやつです。それらを真似ることにより捕まらない。さあ、なぜ私がこの講座を開いたかもうお分かりになったでしょう。フフフ。いいですか。死体を湖や山に埋めるなどというのはもはや古い方法です。それより頭を使わねば。

まず第一に大切なのは自分を清潔にすることです。自分をキレイに洗わねばなりません。
ですからまず一階のシャワー室へ移動して下さい。そこからアナウンスで講義を続けます。

あー、あー。マイクのテスト中。聞こえますか?まだ水を出さないで下さい。
では殺人して捕まらない方法を教えます。殺人で捕まらない方法は動機を磨く。それに限ります。理由を考えるのです。
かつて殺人者達は方法のみを考えてきた。それは大きな間違いだったのです。それでは殺人の理由を考えながらシャワーを浴びてください。
「じゃー」
ガスが出てきましたか?あなたは死にます。ハイルヒトラー。

殺人を行おうと集まる人達を殺す。それによってお前らに殺されかけてた人を救うわけですよ。さあ、今度は深呼吸をどうぞ。もう死んでますか?あはは。こうして社会が認めてくれるなんて思ったら大間違いですかね。まあいいでしょう。私も捕まる気はないですから。どうするのかって?簡単です。こうして自分に銃口を向けて引き金を引く。
ドギュン。ぐふ、ばたっ


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