第188期 #2
枯れた花は戻らない。
死んだ心は戻らない。
死んでしまった詩は、絵は、思いは消えてしまうだけ。
それを防ぐ為に新しい自分へ移り変わる。
過去の自分を遺産として、新しい自分を作り出し繰り返す。
振り向けば死んだ心の墓が連なっている。
振り向けば幽かな思いを抱いた死骸が連なっている。
一体僕は何代目なのでしょうか。
私の死骸を総て燃やしその炎でパンを焼いた。
過去は味気なく、どんなにジャムを塗ろうと美味くない。それどころかジャムの味しかしなくなる。飾ろうが飾るまいが過去の味は味気なく変わらない。
きっと明日のパンも明後日のパンも味気ない。
止まろうが進もうが過去は変わらない。
死のう。死に場を求めてフラフラと。僕は只夜の街を漂う塵。
昨日。何事も無かった筈なのに心が疲れていたんだね。見えないから仕方が無いさ。
左様。だからこそ溜め込んでしまうんだ。さぁ、もう疲れた。死のう。死のう。死のう。
朝。拝めるかなどうだろう。このまま薬飲んで眠ったまま。
嘘。本当は首を吊るんだ。苦しまない絞め方で。辛いのはもうごめんなんだ。
砒素。飲んでも良いけれど。手にいれる時間が惜しいんだ。僕はもう疲れた。死のう。死のう。早く。
夢。見てたんだ色んな事さ。仕事にお金に君の事。それも全部無駄になっちまって。
駄目。人生とは何だったんだろう。僕自身も駄目人間さ。もう駄目駄目なんだよ。
でね。別に昨日は普通の日だったんだ。だからこそ、何も無い時こそ死に時なんだよ。さぁ、死のう。逃げたい。早く。
結局。疲れて逃げたいだけなんだ。でも休んでも休んでも疲れが取れない。そればっかりか増え続けるんだ。
薬局。薬買い込んで、怪しまれて、人生の様に厳しい目で睨められ辞めてさ。もう、疲れた。逃げたい。早く。死にたい。早く。疲れた。早く。死にたい。早く。辞めたい。早く。
ひっそり。一人首吊ったんだ。