第18期 #5
緊急事態発生です!隊長、緊急事態です!先ほど私が浜辺をパトロールしているとですね、いやあのすいません息を切らせているので、ハア、ハア…するとです!浜辺を一緒にパトロールしていた三等兵高卒の中松がいきなりオオッララ!と叫んで倒れるじゃないですか!すると近くにいた山田軍曹がなんてこった奴はふらんす語を喋っているぞ、あれは敵国の言葉だ!反逆者をひっとらえろと怒鳴るもんですから私が中松にどうした、どうした、おい山田軍曹がお前のことで何か言ってるぞお前何を話しているんだと聞くと中松はうーんと唸ってはあはあと苦しそうにしているのですが、興奮した山田軍曹は反逆者を捕まえろと怒鳴りながらピストルを空にバンバン撃つものですから中松はショックで気を失う有様でありまして私は山田軍曹に中松は痛みか何かで叫び声をあげただけだと言いますと山田軍曹は顔を真っ赤にしながらいやいや、わしは確かに中松がふらんす語を喋るのを聞いたのだ奴の機関銃を渡せおんどらあとドスをきかせて言うのですが、そこへ村の坊主の三吉が通りかかりまして軍曹さん、あんた自身ふらんす語わかんなきゃ中松さんがふらんす語喋ってるってどうして分かるんだいと中々いいことを言うのでありますが、これに山田軍曹怒ったのなんのって耳から蒸気が噴出して生意気な坊主め!お前も反逆者だな!と叫んで三吉をピストルで撃とうとするのですが、そこに山田軍曹の頭上から10メートルはある巨大な蝸牛が落ちてきて山田軍曹がぎゃーっと叫びながらぐちゃぐちゃになると、なんと今まで倒れていた中松が、がばっと起きあがるやいなや高らかに笑い出してふらんす軍の援軍だあ、ふらんす軍の援軍だあと喚きながら逃げるわ逃げる三吉の背中を機関銃でババババと撃って三吉が倒れるのを見届けると私にふらんす軍と戦え、毎日えすかるごにしょこらが食えるぞと言うんでありますが、私は何を言っている、最後に聞いたときにはふらんす人は蝸牛ではなかったぞ、と言い中松はそれもそうだと言いながらこちらへ向かってくる巨大蝸牛から逃げようとしたのですがそこに第二の巨大蝸牛が落ちてきまして、中松がぎゃーっと叫びながらぐちゃぐちゃになる頃には私もとっくの昔に駆け出しておりまして、その時にはもう蝸牛があちこちにぼこぼこ落ちてきまして私はあっちに飛ぶわこっちに飛ぶわでここまで駆けてきたわけなんですがもうすぐ、ってあれは、うわああ!