第174期 #8

明恵は紺碧の空の彼方へ

私の妻は明恵という。夫を立てているかと思いきや、周りにちやほやされることが大好きで、夫のいない場所では女帝と化して戦前の右傾化に追い打ちをかけるような天皇陛下へのあがめられる立場に陶酔し、夫、内閣総理大臣はその女帝ぶりに快感を感じる。二人っきりの家庭ではどのように甘え、またはマゾのごとく私はいたぶられ、それが快感になっていく。国会の予算委員会では妻のことを私人といい、絶対に私より上には上げないが、公人との指摘に如何に公務員を従えていようが、公費を使っていない、交通費は個人負担との言い訳であくまで私人を貫き通す。そして名誉職を断れずに、次から次へと利用される。海千山千の理事長職が、公人の親類をまくし立てて、至福を肥やすための材料にするのである。よいしょとゴマすりで気持ちよく捲し上げて、絵にかいたような謀略の中に陥れられるのである。
私学が借金で経営しているとは、公立小学校より敷地面積の狭い私立小学校はあまり見たことが無い。エスカレータ式に中学、高校、大学と推薦され進学できるのであればいざ知らず、小学校だけの私学であれば、特色、他校へ推薦やお受験の指導教育で、合格率の高い教育カリキュラムを定評にしているなどの魅力が無いと生徒は募集できない、入学の倍率が高くなければ、そう誰でも入れる学校は高い授業料を親に払わせられない。教育勅語や同期の桜を歌わせる教育を売りにしても、人格形成に何ら役に立たないと思われる。
私の妻ははめられたのか、いや、普段は宗教のシンボルの大菩薩のように教祖のごとく崇め、尊び思いを周りのものと共有しているが、抑圧された極限の中の軍隊は二二六事件や、連合赤軍、日本赤軍のリンチ、虐殺、オウムのサリン事件などの大量虐殺を起こし、世界中に日本の危険性をテロの先進国としてイスラム国以上の恐怖を散布した。この右翼と左翼の両側に宗教的指導者が君臨するとてつもない、国家以上の存在が私であります。これから日本の安全保障の元、世界中に自衛隊や日本の警察が紛争解決に出向くと思いますが、日本人は一線を越えると何をするか想像できません。私の妻のような存在が、重石になるのではないでしょうか?
国会では色々文句を言われますが、私はいちいち声を荒げて、応戦しますが、徹底的に叩き潰さないと気がすみません。何せ、東京オリンピックが終わるまで、総理に君臨し、おなかの調子もすこぶる好調なのですから。



Copyright © 2017 Gene Yosh(吉田仁) / 編集: 短編